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さみしい夜の句会報 第252号(2025.12.14-2025.12.21)
第252号の参加者は60名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
ここ数年は「満天の星」立ち上げ、運営を軸に活動してきましたが2026年は創作を軸にしようと思いWebを含む各地の句会、誌上を含む各地の大会へ可能な限り参加しようと考えています。
◆ 参加者(60名)
クイスケ、カオルル、しまねこくん、ひいらぎ、真白(ましろ)といいます。、空野つみき、美蟲角(びちゅうかく)、笛地静恵、輪井ゆう、非常口ドット、藤岡あや、西脇祥貴、栗井ゆずる、都まなつ、モロッコひろみ、Nichtraucherchen、水の眠り、下野みかも、宮坂変哲、西沢葉火、汐田大輝、雨声、蔭一郎、何となく短歌、中川 晶子、涼、えみ、砂のような、石川聡、しろとも、月階柚、雷(らい)、季川詩音、あづみのマルコ、佐井杜有、山田真佐明、塩の司厨長、岡村知昭、カゲキ・ちゃけぞう、まどけい、片羽 雲雀、鈴木正巳、もりや、soukonisi、台風のめ、恋衣、nes、三明十種、リコシェ、水玉子、安藤 蜜豆、Yuta25144090、天然石アクセサリーkiki’s、猫屋敷メグル、アイン、長尾伊織、よもやま さか、川瀬十萠子、水田早霧、月波与生
◆ 川柳・俳句
サロメを前に関節がゆるむ クイスケ
今年の一字に畳を選ぶ クイスケ
手札揃わず仔猫のそっぽ アリタ別館
ひみつばかりのアッコちやん Nichtraucherchen
アンパンマンに食べられた Nichtraucherchen
背骨抜くと沈みゆく商店街 アイン
最後から三番目だと決めつける 猫屋敷メグル
蛍光灯割れてよくあるクリスマス 雷
目のうらが目のまえになり珈琲飲む 雷
満潮のコインロッカーから琥珀 空野つみき
鉄塔になった少女のくらげ狩り 空野つみき
毒婦にもなれる寒夜のあまがえる 空野つみき
箱庭に変声前の朝を呼ぶ 空野つみき
とこしえに暗夜わたしのカプリチオ 空野つみき
はるはやて黄色い花に咲く緑 空野つみき
龍として太陽系の爪を塗る 空野つみき
段違い平行棒に干した鮭 蔭一郎
階段はすぐエッシャーを使い捨て 蔭一郎
とはいえを追い越してゆく消防車 蔭一郎
一連のきりたんぽによって逮捕 蔭一郎
きりたんぽまではなんとか路線バス 石川聡
エジソンの歯形が残るサツマイモ 汐田大輝
チンアナゴさえ都営大江戸線に乗る 汐田大輝
ヤモリになった短歌をもてあそぶ 汐田大輝
山茶花や明日は見えます大丈夫 真白
ト書きにノイズ かわせみに薄い傷 nes
指先の狐火腹の中で燃ゆ 片羽雲雀
マダムとの会話のツボが滝になる 山田真佐明
ベトナムのマダムが笑う虫払う 山田真佐明
簡単になくすへその緒 都まなつ
折りたたみ傘は思春期 都まなつ
榾火にはあつて夫に足りぬもの しまねこくん
あの人は戻らないのね湯気なのね しまねこくん
加湿器と自分を比べてはならぬ しまねこくん
電池切れ以後そよぐ中島みゆき 西脇祥貴
また布袋様に似たサンタクロース 輪井ゆう
寒月やまぼろしの鳥連れ立ちて ひいらぎ
*
狐火となるまで素振してをりぬ カオルル
幸運の星一個だけの師走哉 美蟲角
合鍵のひとつばかりを四十雀 笛地静恵
飛ばれそうお酒を呑んでいるひとは 下野みかも
教養の高き落書きルーン文字 宮坂変哲
恋人に鰓があるから苦しいの 西沢葉火
障子の桟雑巾かけるな穴空くぞ 中川 晶子
さみしさも 元気があれば むしろラク 涼
お土産にお茶をいただく星回り えみ
お歳暮を贈り合わずの距離やあり 砂のような
靴下を七つ落とせばクリスマス しろとも
冬晴やひとつひとつにある歴史 季川詩音
恨みっこなしでトンボに毟られる 佐井杜有
にらめっこしましょブラッシュアップっぷ 塩の司厨長
象の産卵を見に行く夜明け前 岡村知昭
さざめく星に祈り届けと指鉄砲 カゲキ・ちゃけぞう
白廻し夜干し滴る冬銀河 鈴木正巳
色着けて紙を破って棄てる もりや
冬雨をすべらせている滑り台 soukonisi
寒牡丹いまありしと視ちごふけり 三明十種
熱さめて夜更かしをする油断する リコシェ
くちびるを湿らせたのは通り雨 水玉子
駅前の 像より猛し オリオン座 Yuta25144090
十六茶なめて川柳詠む深夜 まどけい
眠いのに眠れぬ夜を駆けてゆく 安藤 蜜豆
湖をたたんでいたら蛇だった 佐井杜有
*
回文の少女紳士の新聞紙 月波与生
◆ 短歌
感電の味がするわと君が言うサバの缶詰光る明け方 モロッコひろみ
四分と三十三秒音のない曲に親しみ私は眠る 恋衣
ぼくたちは足があるから花には成れず蜜蜂に頼らず愛に彷徨う 藤岡あや
*
陽光の歌は底では眩しくて肩が触れ合う歌に縋った 非常口ドット
星の夜ユリの香水うす化粧たまゆら薫る君のいた部屋 栗井ゆずる
切り出した白いひかりの灯台は盲いわたしの杖になりたる 水の眠り
「欲望を持つのを仕向けたのも神様でしょ?なのにそのちょっとの欲望も見逃さないってわけ!」 雨声
あなたとの想いで飾り付けられて誰にも見えないツリーは光る 何となく短歌
「常識」が窓に犇く校舎からヘッドフォンして宇宙へダイブ 月階柚
つらぬくは雨粒ほどの約束で胸の奥まで季節が入る あづみのマルコ
まいどあり、「あり」に蟻いて年の瀬に列のない夜(よ)をまっすぐ帰る 台風のめ
わたしとは共生できぬ私だとまだ来年の手帳は買えず 砂のような
幾重もの縮緬で飾り 関節の曲がり角で待ち合わせ
天然石アクセサリーkiki’s
妹の友人の訃報を聞いたのは何年前の夏だったかと 長尾伊織
◆ 詩
作品はありません。
◆ 作品評から
加湿器と自分を比べてはならぬ しまねこくん
~ん~。いうほど比べてはないんだよね。ん~。(よもやま さか)
はるはやて黄色い花に咲く緑 空野つみき
~言葉の斡旋と表現の巧みさにいつも度肝を抜かれたのしく読ませていただいてます。 いつか平易な言葉だけで空野さんの月並俳句も読んでみたいと思いました。 よかったらぜひお願いいたします。(蔭一郎)
鉄塔になった少女のくらげ狩り 空野つみき
~少女は鉄塔になり、いまや無敵。さあくらげ狩りだ。海をひっくりかえし、かきまわし、くらげを取り尽くすのだ。少女は気づく。鉄塔の自分は、動けない。歩けない。泳げない。鉄の脚は地面に据え付けられ、鉄の身体を電気が通う。くらげ狩りに行けない少女の、慟哭が響く。(岡村知昭)
恋人に鰓があるから苦しいの 西沢葉火
~恋人に鰓があり、私にはない。それが苦しい。なぜ私には鰓がないのだろう。わたしに鰓があったらふたりは今よりもっとひとつになれるのに。そのように思いをめぐらせる苦しさ、そして喜び。今の私には鰓はないけど、鰓のある恋人はいる。生きていてよかった。鰓はないままだけど。(岡村知昭)
ベトナムのマダムが笑う虫払う 山田真佐明
~「ベトナムのマダムが笑う虫払う」。ベトナムは虫が多いので、虫を払うというのは日常茶飯事だと思います。「笑う虫払う」という部分が面白く、「笑いながら虫を払った」とも、「笑っている虫を払った」とも理解できます。ベトナムは社交性が高いので、虫が笑ってたら面白いと思いました。(季川詩音)
ふたしかな記憶で走る市営バス 汐田大輝
~初めての土地の路線バスに乗ると物凄く緊張する。どこで降りたらいいかわからないし、料金もわらかないし、空席であっても座りにくい座席ばかりだし。(月波与生)
裸婦または廃駅として無知になる 空野つみき
~「裸婦」「廃駅」「無知」。まだ言葉同士の連絡が弱いが数を作れば地力が付いてくるでしょう。あきらめずこの線を深化させてください。(月波与生)
~裸婦と廃駅で映像が浮かび、無知になるで抽象的な世界に突き落とされる一句でした。(雨声)
ばあちゃんの手首を飼い慣らすサロメ クイスケ
~サロメ句を量産している作者だが最近粒が揃ってきた。川柳は「毎日書く」「作句数は裏切らない」がはっきり可視化する。(月波与生)
くちびるを湿らせたのは通り雨 水玉子
~とても好きです(川瀬十萠子)
龍として太陽系の爪を塗る 空野つみき
~「太陽系の爪」のスケール感凄いな。句柄が大きい! 龍が句頭にあるから、すんなり爪が入ってきます。 「塗る」ジェルネイルのイメージとか来て今の川柳っぽさも来るかなあ。(石川聡)
満潮のコインロッカーから琥珀 空野つみき
~「満潮のコインロッカー」に凄くイイネ。 コインロッカーってなんか私性を感じる。主に私物を入れる空間だからか? 琥珀=宝石よりは、句頭の「満潮」から夕陽に染まった海水とかのイメージが。コインロッカーの中は広大な夕陽の海で、その飛沫が飛んでくる。あとビールも可w(石川聡)
一連のきりたんぽによって逮捕 蔭一郎
~食事のマナーを間違えたのでしょうか。きりたんぽ軍団が怒っているのではないでしょうか。それはもう、きりたんぽの刑2年ぐらいの罪です。鍋の中に入っていてください。(季川詩音)
~ビューだね!(水田早霧)


