UnsplashのLefteris kallergisが撮影した写真のイラスト素材
さみしい夜の句会報 第280号(2026.6.28-2026.7.5)
第280号の参加者は47名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
先日、五日ほど休みを取って、念願のホエールウォッチングへ行ってきました。せっかく足を運んでも見られないことが多々あるそうですが、運よく見ることができ、「今年やるべきこと」をひとつ達成できてよかったです。
◆ 参加者(47名)
クイスケ、七澤銀河、しまねこくん、カオルル、桑原 雑、佐井杜有、汐田大輝、リコシェ、青海波、田面木 擬き、Nichtraucherchen、鈴音りんか(りんか)、しろとも、あづみのマルコ、空野つみき、泣き真似もできずしらけた夾竹桃、片羽雲雀、鈴木正巳、笛地静恵、真白(ましろ)といいます。、田中美蟲角、大山 晶子、岡村知昭、ひよどりよりこ、coma、宮坂変哲、snuddle、石川聡、つきかけ。、須藤純貴、山田真佐明、川瀬十萠子、白水ま衣、まどけい、akao、涼、うつわ、織部ゆい、雨声、そうこにし、季川詩音、不思議な話のアイン、東こころ、天然石アクセサリーkiki’s、非常口ドット、くまがい、マッキントッシュ、月波与生
◆ 川柳・俳句
樹海から届く即身仏の鈴 七澤銀河
インタビュー記事から落ちた論破ネタ 七澤銀河
否定から入らないでよ夏至ぶるの? クイスケ
満員御礼ひとりぼっちの干しぶどう クイスケ
優しさをねんきんネットにさらわれる クイスケ
本棚にたくあんだけは置きなさい 山田真佐明
隠れ家が科学博並み苫小牧 山田真佐明
山小屋と川越市なら精神科 山田真佐明
蛍から生まれた蛍だけが死ぬ 白水ま衣
業務用筋力と家庭用胆力の在庫 coma
助手席の駝鳥に使う尊敬語 coma
母子像に抱きしめられて眠くなり 岡村知昭
裏切りの津軽海峡 Nichtraucherchen
清盛の袖から線状降水帯 汐田大輝
アンテナにしてはまあまあ朝顔だ しまねこくん
日傘から日々傘へ日々日々傘へ しまねこくん
どんぐりを王様にする未来人 空野つみき
見栄張りの兎になったオカルト誌 空野つみき
水槽にエンドルフィンを二匹飼う しろとも
薬玉に蛍を仕込む老スパイ 佐井杜有
恋をしてパセリもぐもぐしたりして カオルル
*
ひらがなにできない過去にみせる辞書 田面木擬き
泣き真似もできずしらけた夾竹桃 片羽雲雀
うつろなる風の声聞く釣鐘草 田中美蟲角
ゴンズイがわれとわがみを刺して寝る 大山 晶子
長梅雨やすでに崩るる古い家 ひよどりよりこ
燃え尽きたまま働いて金曜日 宮坂変哲
あじさいが香らないのはなぜですか 石川聡
雨だべと云うて大型犬が居ぬ つきかけ。
密会を灯すに足りる蛍かな akao
生きてたら 仕事ばっかで つまんない 涼
溺れ目に銀河の粒たち発光す うつわ
食いたいが食えば貴方がいなくなる そうこにし
亀鳴くやあいつは言った「どんな声?」 季川詩音
真夜中にサッカー観るや光晴忌 まどけい
ケルベロスがいる どこまでが平成 アイン
豆柴は捨てる自由な人が好き 東こころ
雑巾かもしれぬ実家の風呂上がり くまがい
*
蛍夜の私はたぶん留守でした 月波与生
◆ 短歌
やまないであなたの胸で眠らせてチクタクチクとサタンの鼓動 snuddle
蛍火をとらえて灯す掌のここが心臓、短い夏の 川瀬十萠子
*
さだめなす茅の輪を数多もてあそび破滅を選ぶ君の微笑み 桑原 雑
きみどりの朝を迎えるその前にあをになりきれぬ夜があって リコシェ
夏の夜を引き延ばすように泣いてゐる鈴虫達の命の刻限 青海波
納豆は黙する 犍陀多《かんだた》の誤算 凪に阿鼻叫喚 鈴音りんか
闘とはあなた忘るる稽古なり勝ちたる朝も胸は敗れぬ あづみのマルコ
キラキラの星のあまたを数えつつLINEの川の夜へ流るる/笛地静恵
短歌(うた)詠めば秘密の恋は出来なくて 溢れる想いポロポロ零れ 真白
朝刊を運ぶ蛍が段々と光る間延びる冬至に向けて 須藤純貴
宝箱 やさしく消えた鍵穴が もういいんだよ うん、わかってる 織部ゆい
カラフルな悪意もりもりパフェにはジンをたっぷりかけて喰らおう 非常口ドット
◆ 詩 ・ 短文
「無い」ということは、
「満ちている」ということ。(天然石アクセサリーkiki’s)
◆ 作品評から
煮浸しの茄子の誘いも梅雨のなか 片羽雲雀
~梅雨特有のじっとりとした湿度と、薄暗い部屋のなかに佇む、冷やされた「茄子の煮浸し」の鮮やかな紫色が目に浮かぶ。どんよりとした鬱陶しい雨の季節の、抗いがたい「誘い」とは。(月波与生)
前脚で自動扉に触れる蜂 七澤銀河
~蜂がセンサーに反応させようと意図しているわけではないものの、その「前脚で触れる」という微小な一動が、巨大なガラス扉を動かすかもしれないという緊迫感を生んでいる。人間中心の社会に、虫という異物が迷い込んだサスペンスがスタイリッシュに描かれる。(月波与生)
水掻きをしまい忘れてしまうなり 小沢史
~人間がふとした瞬間に、自分の中にある「かつて水に棲んでいた記憶」や「異形の片鱗」を覗かせてしまったような、不気味なファンタジを感じた。「しまい忘れてしまうなり」という軽やかな口語調の自己申告が、日常のすぐ裏側にある非日常をユーモラスに引き寄せている。(月波与生)
橋本の家に橋本呼んで夏至 しまねこくん
~「橋本」という同じ名前が重なるユーモラスで奇妙な状況が描かれている。自分の家に同姓の友人を招いたのか、あるいは親戚筋の集まりか。言葉の重複がもたらす軽妙なリズムが、一年で最も昼が長い「夏至」という、どこか時間が引き延ばされたような、あるいは現実が少し歪んだような独特の季節感と見事に合致している。(月波与生)
不老不死の金の生る木の焼け残る 岡村知
~「不老不死」「金の生る木」という、おめでたくも人間の強欲を象徴するような存在が「焼け残る」という、ディストピア的で不条理なドラマ。人間の富や生命への執着の虚しさと、それを超越した怪しい生命力の対比が鮮烈で、SF的物語のプロローグを読んでいるかのような強いインパクトがある。(月波与生)
日傘から日々傘へ日々日々傘へ しまねこくん
~なんて素敵な(マッキントッシュ)
さだめなす茅の輪を数多もてあそび破滅を選ぶ君の微笑み 桑原 雑
~チベット仏教のチティパティ思い出しました…やばい…一度行ってみたいんですが、ずーっと政情不安で、もう長生きしても行ける気がしないです。なんなの?ユーラシアて。(大山 晶子)
密会を灯すに足りる蛍かな akao
~風情を感じますね。密会と蛍。めちゃくちゃ良い。蛍という言葉が密会の儚さを強調させてますね。セクシーな感じもするし、恐ろしい密会かもしれないし、色々想像させますね。(季川詩音)
真夜中にサッカー観るや光晴忌 まどけい
~あの日はとても盛り上がった。でも誰かの命日でもあった。忘れていたことに気づかされてハッとさせられた。そう考えると普通の日だったのかもしれない。(季川詩音)
隠れ家が科学博並み苫小牧 山田真佐明
~「隠れ家が科学博並み苫小牧」。北海道の中でも栄えてるイメージ。隠れ家にしては豪華すぎる。めちゃくちゃ面白い発想。意外にも観光地になってたりして。(季川詩音)

