さみしい夜の句会報 第278号を発行しました

さみしい夜の句会
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画像提供:Ralf Ruppert ( Pixabayより)

第278号の参加者は42名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

「さみしい夜の句会300号記念イベント」の骨子が決まりました。1号から句会に関わっていただいた人をできるだけ多く巻き込んでのイベントにします。発表までもうしばらくお待ちください。

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◆ 参加者(42名)

クイスケ、七澤銀河、佐井杜有、しまねこくん、鈴木正巳、桑原 雑、汐田大輝、Nichtraucherchen、なさわご、舞風 奏、東こころ、上野、雷(らい)、emaki、しろとも、カオルル、田中美蟲角、雨声、あづみのマルコ、奇妙丸、emaki、宮坂変哲、もふもふ、よるん、山田真佐明、石川聡、ひよどりよりこ、岡村知昭、大山 晶子、季川詩音、まどけい、akao、砂のような、雨声、不思議な話のアイン、青海波、白水ま衣、水の眠り、砂原妙々、片羽 雲雀、山脇史子、月波与生

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◆ 川柳・俳句

家計簿の脂肪を溶かす情熱大陸 クイスケ

湯切りするたびに地面が揺れ動く クイスケ

身分差がサンドイッチに挟まれる クイスケ

遺伝子の一部をYにすり替える 七澤銀河

二択で言えばとうもろこしだ 白水ま衣

電球と枇杷は回収いたしません しまねこくん

水風呂へ一緒に入る冷奴 しまねこくん

寝室の右と左を分ける滝 しまねこくん

訳ありがぎゅうぎゅう詰めの夏野菜 akao

まどろみの火照りを醒ますジャムセッション 桑原雑

慎ましく生きると決めて桜桃忌 田中美蟲角

姿勢よし日傘の男子高校生 カオルル

出目金が前世のことを話し出す カオルル

たましいを汚して拾う詩であった 雷

どの脚も植物化する角川家 汐田大輝

   *

終末の前に溶けちゃうパインアメ 佐井杜有

傷つけ合つたパスワード Nichtraucherchen

飛ぶツバメついていきたい昼下がり なさわご

遊ぶにも許可がいるらし馬車馬は 東こころ

満タンの 麦茶を冷やし 待つ下校 上野

太陽の椅子に座れば開始です。 Emaki

ゲシュタルト崩壊してる夏至夏至と しろとも

つゆに濡れ このみ潤い 夜はふける 奇妙丸

昭和です二十世紀の生まれです 宮坂変哲

渾身の渾名に拒否感悲壮感 もふもふ

居酒屋で銀次の手形飲むマダム 山田真佐明

鹿鳴いてナラトロジーの森へ消え 石川聡

苔咲くやふいに声だけ老ゆること ひよどりよりこ

象じゃなく焼きそばパンを探す姫 岡村知昭

草団子振り回しつつ説明す 大山 晶子

草餅に自分の夢を言ってみる 季川詩音

父母(ちちはは)を詠んで剣を神に指す 砂のような

破裂したかもしれない朴念仁 アイン

空梅雨に喜ぶ人や和菓子の日 まどけい

   *

トランプが映らぬテレビだが、いるか 月波与生 

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◆ 短歌

ふわふわの話のわかるポメラニアン命をつなぐまた噛みついて 片羽雲雀

遠い目が歪な光で満たされる戸惑っているヂ佇んでいるヴ雨声

   *

幸せになれない 夢は叶わない 死にたい 私変じゃないよね 舞風 奏

冷蔵庫めく胸にしまひし恋なれど君の既読で解けてしまへり あづみのマルコ

孤独には力があると信じてる じゃなきゃあんまりじゃあないか。 よるん、

この星の縮図のように欠片のように陽の当たる浜で眠る彼ら 青海波

流星の行方を追えば逝くひとのブルースターが広がる野辺へ 水の眠り

閉ぢた傘まだ雨音を抱きてゐて言へないことを舌で転がす 砂原妙々

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◆ 詩 ・ 短文

作品なし。

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◆ 作品評から

出目金が前世のことを話し出す カオルル
 ~出目金が前世のことを話し出すーー心にしみる句ですね。大好きです。ずっと忘れないと思います。金魚、そんなおしゃべりをしそうですよね(山脇史子)

笑ひたきや笑へ人間失格忌  しまねこくん
 ~太宰治の忌日「桜桃忌」を、「人間失格忌」と呼び替えた。世間の目や倫理観を気にせず「笑いたければ笑え」と突き放すような口調には、太宰の持つ自虐と反骨の精神を感じる。(月波与生)

二十年擬態もせずに鶴のまま  しろとも
 ~周囲と同化して生き延びる「擬態」を選ばず、孤高の「鶴」としてあり続けた「二十年」の歳月。他者に合わせることが求められる現代社会において、背筋の伸びるような強い意志を感じさせる。 (月波与生)

象じゃなく焼きそばパンを探す姫 岡村知昭
 ~「姫が探すのは象である」という仮定がどこかにあることで成立している作品だと思います。発想が面白いと思います。(季川詩音)

傷つけ合つたパスワード Nichtraucherchen
 ~間違えすぎたのだと思います。しかもパスワードを忘れてしまった。自分を守ってくれる恋人のような存在なのに傷つけてしまった。罪悪感を感じました。(季川詩音)

八戸の灯りが好きで田尾安志   山田真佐
 ~実在の野球人「田尾安志」という固有名詞と、北国の「八戸の灯り」という叙情的な情景の取り合わせ。地方都市のどこか哀愁を帯びた、けれど温かい街の灯り。そこに田尾氏の現役時代のクリーンな佇まいや、楽天イーグルスの監督を僅か1年で解任された彼の一本気な歩みが重なる。(月波与生)

去年からとっくにネアンデルタール  汐田大
 ~「去年からとっくに」という口語の軽快なテンポで、人類の祖先である「ネアンデルタール」へと飛躍してみせるセンス。日常のふとした瞬間に覚える「もしかして自分は現生人類ではないのではないか」という違和感を暴き出す。(月波与生)

棘のないエクレアにもう飽きている  空野つみ
 ~甘くて柔らかい「エクレア」に、あるはずのない「棘」を希求する感覚が現代的。平穏で至れり尽くせりの日常や人間関係。それらは心地よい反面、どこか退屈で嘘くさい。そんな「満たされた満たされなさ」への苛立が、エクレアを齧る口元の歪みとともに描かれている。(月波与生)

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