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さみしい夜の句会報 第271号(2026.4.26-2026.5.3)
第271号の参加者は45名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
今年から、青森県内の川柳社の句会に都合のつく限り参加している。柳社が変わると人も変わり、環境も変わる。これまで見えていなかったものが見え、新たな発見がある——その刺激が心地よい。時間が許せば、県外の柳社へも足を伸ばしたいと思っている。
◆ 参加者(45名)
クイスケ、七澤銀河、しまねこくん、空野つみき、涼、田中美蟲角、あづみのマルコ、カオルル、汐田大輝、もふもふ、青海波、Nichtraucherchen、岡村知昭、蔭一郎、鈴木正巳、桑原 雑、しろとも、水の眠り、雷(らい)、白水ま衣、非常識犬猫苑、織部ゆい、天然石アクセサリーkiki’s、不思議な話のアイン、山田真佐明、須藤純貴、季川詩音、佐井杜有、東こころ、ふくろうたかこ、あしあと、銀星星郎、雨声、まどけい、宮坂変哲、石川聡、akao、ホワイトアスパラ、鯖詰缶太郎、奇妙丸、田中教平、nenereto、黒冬、月波与生
◆ 川柳・俳句
新月を起こすキツネのフラダンス 七澤銀河
サウダージ ダブルベッドは転る舟 七澤銀河
失恋が住んだかかとの一等地 クイスケ
自生地に似せたサロメのソロライブ クイスケ
史実では出しっぱなしの8連休 クイスケ
簡単な設定だけで詐欺にあう 山田真佐明
人と人声と声とがジュラシック 山田真佐明
お腹が空いてアイスが食べたくなっている 田中教平
ぬるぬるを取つた蛙を客室に しまねこくん
入れ替わるべきどんどんとどんたくと しまねこくん
送られる側から送る側に雲丹 しまねこくん
おじさんが先に潜つてゐた躑躅 しまねこくん
そりやそうよ喋る亀まで居るのだし しまねこくん
痛いとき右手を挙げる自傷癖 非常識犬猫苑
オノマトペなしで伝えるやわらかさ 非常識犬猫苑
名言はそんなに人が好きじゃない 白水ま衣
交番のオルゴールから舌がでる 蔭一郎
吊り革をつたわり津波摑みとる 蔭一郎
徒歩でゆけば風たちまわるらっきょう 蔭一郎
そうですねだけど打首でしたよね 岡村知昭
鴨川で和製英語が響き合う 汐田大輝
海女小屋のパリリとハッピーターンかな カオルル
童謡にキャベツ炒めと水煙草 空野つみき
ジャガイモの芽を目印に蜂起する 佐井杜有
*
不注意で 肋骨にひび 療養中 涼
自慢気に儚きことを憲法日 田中美蟲角
三ッ星の解析料理研究所 もふもふ
連休は湯水の如く Nichtraucherchen
ゴールデンウィーク青い芝ばがり しろとも
いつ来るか分からぬ人がいる連休 雷
神様の仕掛け 天然石アクセサリーkiki’s
バックグラウンドにあまねく横暴 アイン
蓮池やベトナム軍は救国す 季川詩音
また今日も両片想いリンドール 東こころ
浮腫んでる?いや太ってる ふくろうたかこ
おっぱいの先より紅きさくらんぼ 宮坂変哲
葉に埋もれ残りの金柑よ残れずっと 石川聡
エヴァンスを聴いて眠るや杜仲の木 まどけい
絶対に何か知ってる葱坊主 akao
九回裏と知るのは散ってから ホワイトアスパラ
雑草の 命奪いて ゆらぐ腰 奇妙丸
*
大豆だったかバイアグラだったか ころん 月波与生
◆ 短歌
曇ってる空を選んで鳥かごを開けて帰りを期待している 水の眠り
者として生きる頁を閉ぢたれば君に呼ばれて人へ戻りぬ あづみのマルコ
北へ行く電車が来るこれに乗り終点へ行くまだ同じ市内 青海波
夜明けまで呑んで路傍にうち臥せば肩ゆすられし街の眩しき 桑原雑
さわさわと残花揺る夜 ふと気づく 春の決意を食む秋が待つ 織部ゆい
遅くまでよく起きている君だけど声かけようかやめておこうか 須藤純貴
五年後はどこかに捨ててしまったが 君の明日を追いかけていたい あしあと
なくしたもなくせなかったもその後は割れるガラスや降り積もる雪 銀星星郎
突然に夏がやってくる気づき たくさん愛されて誰からも愛されなかった 雨声
ズレるとは 相対的な話だし 死ぬまで言うとか どうかしてるし 鯖詰缶太郎
◆ 詩 ・ 短文
投句作品なし。
◆ 作品評から
バックグラウンドまたは広瀬アリス アイン
~スマホの背景設定と人気俳優という脈絡のない選択肢が等価に並ぶ。思考の優先順位が崩壊し全てがフラットに陳列される空虚さを軽やかにそして鋭く暴いている。(月波与生)
本当の私に雪を見せにいく 川瀬十萠子
~「本当の私」を救済するための川柳だが「「本当の私」とはなんだろう。どこか自らを供養するような自己愛と寂寥が漂う。(月波与生)
四月から燃えないごみになる魂 佐井杜有
~新生活が始まる「四月」に、「燃えないごみ」となる絶望感。社会のシステムに適応できず、燃え尽きることすら許されない魂を、分別という世俗的な枠組みで表現する。(月波与生)
擬人化された経験がある 白水ま衣
~「人間」が人間としてではなく、誰かの都合や欲望を投影する「キャラクター」として扱われた記憶。その主体性を奪われた痛みを「擬人化」という現代用語で射抜いている。(月波与生)
気がつくと世界はチュッパチャプスで 非常識犬猫苑
~日常が突然極彩色で人工的な甘ったるさに変質してしまったようなポップな悪夢。童話的な愛らしさと不条理、そして逃げられない閉塞感。(月波与生)
散る花に泣いて縋れよビアギーク 片羽雲雀
~「散る花」という情緒と、ビールのスペックを追う「ビアギーク」の対比。現代人の乾いた精神に対し、逆説的に「人間らしさ」を突きつけるロックな川柳。(月波与生)
名言はそんなに人が好きじゃない 白水ま衣
~人は、名言に心のよりどころを求める。名言は人に頼られて、うれしさ半分、放っておいてほしい気持ち半分。 人は名言を覚えて、自分自身を励ます。名言は人を励ますより、人が名言によって打ちのめされる姿が見たい。 人は言葉が好きで、言葉は人を好きじゃない。(岡村知昭)
徒歩でゆけば風たちまわるらっきょう 蔭一郎
~徒歩で向かう、どこかへ。風は徒歩の自分に打ち当たる。それでも歩く、どこかへ。らっきょうの匂いがいっぱいだ。どちらを向いてもらっきょうらっきょうまたらっきょう。だけど風の中を、徒歩で進む。進むしかないのだ、どこかへ。(岡村知昭)
者として生きる頁を閉ぢたれば君に呼ばれて人へ戻りぬ あづみのマルコ
~良いですね!スピッツの「コメット」を思い出しました。人でいること…ボクも考えて詠んでみます。ありがとうございます。(nenereto)
おじさんが先に潜つてゐた躑躅 しまねこくん
~『 おじさんは設定じゃなくリアルです 』( 黒冬)
そりやそうよ喋る亀まで居るのだし しまねこくん
~もう雰囲気がめちゃくちゃなんでしょうね。だからここはもう開き直るしかなかったんです。「喋る亀もいるのだからこうなるのは当然なのだよ。」と。 (季川詩音)


