さみしい夜の句会報 第227号を発行しました

さみしい夜の句会
スポンサーリンク

UnsplashRachel Kelliが撮影した写真

スポンサーリンク

さみしい夜の句会報 第227号(2025.6.22-2025.6.29)

第227号の参加者は47名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

川柳大会へ行くとたくさんの誌上大会の案内をいただきます。川柳を盛り上げるためにすべての誌上大会に参加したいとは思っているのですが、時間の制約もあり難しいです。そこでマイルールとして自社(満天の星)の誌上大会へ参加いただいた方が関わっている誌上大会を優先して参加することにしました。異論もありましょうがそれが出来る精一杯です。誌上大会へ参加してほしい方は先ずこちらの大会へ参加してください。基本的な話です。

スポンサーリンク

◆ 参加者(47名)

クイスケ、涼閑、しまねこくん、牛田悠貴、笛地静恵、蔭一郎、ひいらぎ、佐倉もち蔵、宮坂変哲、西脇祥貴、輪井ゆう、snuddle、リンネリンク、萬某、アリタ別館、山田真佐明、西沢葉火、下野みかも、流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬、ミッドナイトみなと、汐田大輝、気まぐれさん、夜ポエム寄る?、水の眠り、冬野志奈、石川聡、鈴木正巳、季川詩音、雷(らい)、何となく短歌、ぺろぼっこ、岡村知昭、江口ちかる。、板里カエ、カオルル、彩葉(いろは)、舞風 奏-かなで-、まどけい、塩の司厨長、なさわご、JUNKY店主、ちゅけ彩緒、雪夜彗星、BRILLIANT_S、ミッドナイトみなと、Novice、月波与生

スポンサーリンク

◆ 川柳・俳句

ラスベガスの観覧車で流刑地へ クイスケ

猫写真頭を乗せればぴゅうと鳴り クイスケ

愛の解像度ポン酢だけのパスタ クイスケ

水栽培で立ち泳ぎ 西沢葉火

離れない手を撫でた中島みゆき 西脇祥貴

踏まれて道になった中島みゆき 西脇祥貴

こども用プールをふくらますバイト 蔭一郎

妖精の精を吸いとる黒揚羽 蔭一郎

公転と自転が均す蛸の脚 蔭一郎

能面がプールに沈んでゆけば朝 蔭一郎

密造の梅酒が並ぶ保健室 蔭一郎

少女らに見張られながら漆取る 蔭一郎

電話してプールの匂いかぎにゆく 蔭一郎

原作と異なる顔の扇風機 しまねこくん

抜け殻の方がなんだか蝉らしい しまねこくん

投げキスでプール一杯分埋めて しまねこくん

唇と無花果どつちを奪いたい しまねこくん

競争で解決しない竹の皮 しまねこくん

人生は降水確率が高め 季川詩音

うまくいったときに聞く曲がほしい 季川詩音

けんけんぱどうすすんでも戻る辻 江口ちかる

つむじから穂が出たらしい浮いている 江口ちかる

しっとりと鳩の重さでせめられる 江口ちかる

気がつけばあっけらかんな乳房です 江口ちかる

曲面が悪意に見えるオムライス 汐田大輝

笹舟が宇宙戦争から戻る 汐田大輝

もの言う株主は乗せない夜行バス 汐田大輝

この先も稚内なら引き返す 汐田大輝

エゴサーチくり返すうち骨になる 汐田大輝

推し活の尊さを知る沼の底 汐田大輝

ふるさとの犀に風船ガムもらう 岡村知昭

兄の名を馬に与える青野かな 岡村知昭

真夜中のプールの底に千の鍵 カオルル

入るには背中ばかりの店でした 雷

三毛猫の骨格を知るラスベガス 山田真佐明

レシートの長さは俺の暗黒史 石川聡

ねぢばなのなかにねじらぬあまのじゃく 冬野志奈

随分とオタクの部屋を遣唐使 笛地静恵 

やりすぎた口内炎のゴジラくん 笛地静恵

今日もまだ、1ページと進まぬ読書かな。 JUNKY店主

   *

めずらしいこともある者たち窪む 牛田悠貴

波しぶく嵐の海を抱く深夜 涼閑

形代の集う澱みに禍津神 宮坂変哲

まだ夏は準備中早い梅雨明け 輪井ゆう

ラムネ弾けた星月夜 アリタ別館

修道院シスター活ける野百合かな 鈴木正巳

雨降れば 楽しい音頭が聞こえてくるよ ぺろぼっこ

ひげ根取る モヤシが攫う 胸の内 板里カエ

父に会う 夢の中でも 歳はとる 彩葉

一俵の格差社会で 塩の司厨長 塩の司厨長

可哀想許されたくて拾うゴミ なさわご

UFOの夢を見る居間脂汗 まどけい

空冴ゆる思い出は前向け歩け 雪夜彗星、

   *

NO WAR進軍ラッパジャズを吹く  月波与生  

スポンサーリンク

◆ 短歌

何処にでも行けるんだとかフィクションの中だけいつも眩しい消えたい 舞風 奏

満たされない足りない欲しい愛されたい 私醜い死んでもずっと 舞風 奏

スルーしていいですよって強がって太極拳は凄腕だった 水の眠り

劇中歌 ずっと頭でまわるから足のつかないプールを泳ぐ 水の眠り

   *

虹きれい僕がいるのはどこだろううつろう日々に居場所はあるの ひいらぎ

発車します窓越しのベル日々になりあなたの好きまで耳が切り捨て 佐倉もち蔵

月光の波に溺れる夜啼鳥私の知らない私になるわ snuddle

淋しさと孤独を百年抱いて眠る いつかの薄明を夢に見ながら リンネリンク

一瞬で 愛のビーカー沸騰し ふきこぼれては うるさいうるさい 萬某

気紛れに声を聴かせてくれるから今夜もきっと死ねないわたし 下野みかも

何度目か わからぬ ダイエット宣言をする 流離するおかん時々オクラちゃん桃

昼間だが僕のこころは真っ暗だ ミラーボールな 眩しい部屋で ミッドナイトみなと

グループLINEの動画をひとり見る夜 花火とあなたをループする 気まぐれさん

光受け青が深まる染め上げて きみの短夜をわたし泳いでる 夜ポエム寄る?

オレンジの常夜灯は誘蛾灯 明日がどこにあるかを示す 何となく短歌

舞台には上がれなかった私達 普通にすらもなれなかったね 舞風 奏

今日もまだ、1ページと進まぬ読書かな。 JUNKY店主

呼吸する貴方の横に添い寝する会話のふりでも話してみたくて BRILLIANT_S

スポンサーリンク

◆ 詩

夜 山田彩緒

月の周りをマンタが飛ぶ
「あんたヨダカに会ったかい」
「うんにゃ」
会話はゆっくり進む
それこそ何光年もかけて
「あんたヨダカに会ったかい」
「うんにゃ」
同じ話もする
わたしたちはそういう夜に
悲しいとか
寂しいとか
忘れたいとか
言っている  

スポンサーリンク

◆ 作品評から

淋しさと孤独を百年抱いて眠る いつかの薄明を夢に見ながら リンネリンク
 ~寝る前に抱く不安はきっと今日だけの不安ではないはず。過去と未来すべてを抱えているのかもしれない。それでも、いつかの光を夢に見ながら眠りにつく。そう感じました。(季川詩音)

ラムネ弾けた星月夜 アリタ別館
 ~とても綺麗ですね。星月夜と、ラムネの取り合わせが面白いです。爽やかです。星月夜とラムネは異なる季節の言葉ですが、涼しい感じというか、夏寄りの秋なのだと思いました。(季川詩音)

少女らに見張られながら漆取る 蔭一郎
 ~めっちゃいい!(山田真佐明)

やりすぎた口内炎のゴジラくん 笛地静恵
 ~口内炎のときはどうするのかと気になるときがありました。口内炎だったら痛いですよね。「やりすぎた」とあるので、言わずもがな無理してしまったのでしょう。(季川詩音)

唇と無花果どつちを奪いたい しまねこくん
 ~あれの比喩として無花果を選ぶとは。強烈。熟女さんですよね。(笛地静恵)

ずいぶんと居心地の良い沼ですね 片羽雲雀 
 ~イソップの「金の斧」のお話で沼から出てくるのは女神。沼は女性の象徴とも言える。であれば底なし沼に落ちた男は至福の極みであろう。(月波与生)

心臓の傷に金魚をとどめたい nes
 ~こちらも金魚の句。心臓の傷で金魚を飼うというのはなかなかのペシミズム。小魚の大群に肉体を喰われる感覚が残っているのも思春期の特徴であるか。(月波与生)

出目金の泡美しき少年期 カオルル
 ~下五に「少年期」と置くと句のおさまりがいいし、実際いい句も多い。この句の美しさは「出目金の」と少年らしからぬところから始めたところ。金魚すくいで出目金ばかり掬ってた少年期を思い出した。(月波与生)

役割を終えし夏至より置手紙 武井窓花
 ~「役割を終えし」が切ない。人は誰でも役割を終える時が来るがそのとき潔く去れるかどうか。「置手紙」は白紙もしくは短文であろう。(月波与生)

入るには背中ばかりの店でした 雷
 ~飲食店を思い浮かべました。せっかく店を見つけて入ろうと思ったが、人がたくさんいて入れなかった。 それを、「背中ばかり」と表現しているのかもしれません。「でした」とあることから、入れなかったことを後悔しているのかもしれません。(季川詩音)

 ~わかります。皮ジャンとかアロハとか白髪頭とか、いかにも常連さんばかりが、背中を丸めて、黙々と飲んでいる店。入れないですよね。(笛地静恵

ジャングルジムなのね触れられたらわかる 江口ちかる
 ~「ジャングルジム」という感触としてはすでに思い出せないものだけと触れられたら瞬間的に思い出してしまう。繊細だなと思う。(月波与生)

ジャイアント馬場から十を引けば夏至 しまねこくん
 ~こういう句は大好き。没後似た人がひとりも現れてないので唯一無二の存在だったのだ。 (月波与生)

電話してプールの匂いかぎにゆく 蔭一郎
 ~ふとプールが懐かしくなり、行きたくなったが、開いているのか気になり電話をした。開いていることを知り、プールに行ったものの、泳ぎはせずに匂いだけかいで帰った。ストーリー性があり面白いです。(季川詩音)

推し活の尊さを知る沼の底 汐田大輝
 ~「推し活の尊さを知る沼の底」。推し活の沼というのはとても深いですね。一度でも入ると抜け出せないです。それを「尊さ」と表現しているのが推し活というのをリスペクトしていて、とても素敵だと思います。尊さと沼の深さは意外にも、比例するのかもしれません。(季川詩音)

修道院シスター活ける野百合かな 鈴木正巳
 ~南房総の修道院とは、白子の修道院のことでしょうか?私もたまに尋ねることがあります。(私も千葉県民です)(Novice)

競争で解決しない竹の皮 しまねこくん
 ~ああ、そうですね。竹の皮は、どれかが、俺が、俺が、と、でしゃばらない。すべての皮が、のびていく。それによって、全体が、大きく育っていく。上へ上へと延びていく。成長する。観察の的確。競争社会への批判としての比喩の卓抜。秀句だと思います。(笛地静恵)

UFOの夢を見る居間脂汗 まどけい
 ~どっかに連れ去られたのか、どうなったのか気になります。ストーリー性があって面白いです。いずれにせよ、夢であっても、起きたときに不安になったりして変な汗をかくのはすごくわかります。(季川詩音)

スポンサーリンク

◆ 第227号句会報ダウンロードはこちらから

第227号句会報(PDF)

タイトルとURLをコピーしました