さみしい夜の句会報 第224号を発行しました

さみしい夜の句会
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UnsplashBri Tuckerが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第224号(2025.6.1-2025.6.8)

第224号の参加者は45名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

速報でも流しましたが満天の星ではジュ―二ークのベストワンを決めるべくコンテストを開催することになりました。年1回の開催でその年のジュ―二ークチャンピオンを決めます。選者は西沢葉火さん他に二人入る予定です。ご参加をお待ちしております。

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◆ 参加者(45名)

クイスケ、海馬、ちゅけ彩緒,、しまねこくん、輪井ゆう、カオルル、汐田大輝、石川聡、影藤遥香、なさわご、西脇祥貴、ひらん、JUNKY店主、アリタ別館、円山すばる、季川詩音、麻月、笛地静恵、西沢葉火、nes、水の眠り、雷(らい)、宮坂変哲、山田真佐明、蔭一郎、鈴木正巳、しまりす、岡村知昭、さまよう酔っぱらい、牛田悠貴、ゆりのはなこ、ぺろぼっこ、片羽 雲雀、まどけい、ひいらぎ、しろとも、魔理沙(new)、何となく短歌、冬野志奈、さちの扉、コマさん、ドルーピー・イヤーズ株式会社、飯島雅史、山羊の頭、月波与生

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◆ 川柳・俳句

蛍火の消えて人差し指残る カオルル

鈴蘭や一人にひとつづつ孤独 カオルル

あなたかと思ふ夏蝶窓より来 カオルル

花栗の息するやうに揺れてをり カオルル

ガレージのすぐうえはもう天守閣 蔭一郎

びっしりと円周率のアロハシャツ 蔭一郎

方舟の救命ボートでたどり着く 蔭一郎

憧れはとうの昔にアロハシャツ しまねこくん

六人制麻雀ですか韮てすか しまねこくん

音楽の才はあれども海月の身 しまねこくん

銅鏡に浮かんだ錆とぼうふらと しまねこくん

あまりにも遅いのび太の声変わり 汐田大輝

空気より軽いダボスのきりぎりす 汐田大輝

オペラでは見えない星に爪を噛む 汐田大輝

このペンだこの既視感は大乃国 汐田大輝

似顔絵の下半分を灰色に 笛地静恵

調子よく銚子電鉄阿字ヶ浦 笛地静恵 

あちらのお方からですリステリン 笛地静恵

ジャノメチョウ嫌いだなんて言わないで ひいらぎ

蜘蛛の糸たぐればきみが其処にいた  片羽雲雀

白濁の虹は留守番電話主義 nes

パンケーキに私立探偵を垂らす nes

君という名前の天気があったら 季川詩音

二時の空虹無き目に滲む汗 季川詩音

砂漠化の進み続ける宝島 輪井ゆう

指一本犠牲にして書く美文字 輪井ゆう

飛べない豚だったのだが──今日の宇宙葬 牛田悠貴

生活圏内に崖があるならいいのにね 海馬

金曜ロードショー足のうらが攣る 海馬

偵察の鍵になる二重人格 クイスケ

好きに生きろと言うズンドコベロンチョ クイスケ

   *

巡業や若隆景に若楓 石川聡

現実を見る現実を生きている なさわご

採点の指がない中島みゆき 西脇祥貴

祝の詞さえ言えずに眠る アリタ別館

ボコられた辺りの墓を懐かしむ 雷

夜遅くドーナツ食べたくなる病 宮坂変哲

市役所で詩集の朗読したいとき 山田真佐明

木魚や金魚、土魚、日魚  西沢葉火

山に来て海を眺める白日傘 鈴木正巳

尖塔とけんかしたくて象に乗る 岡村知昭

誕生日 一人で食べる ワンホール さまよう酔っぱらい

卒寿まで働けますと青嵐 ゆりのはなこ

土砂降りや傘もささずにケロミンの日 まどけい

匂わせる準備に入る天の川 しろとも

傷付けた 涙のあとは ニャルソック 魔理沙

消えゆくは砂の曼陀羅虹の橋 冬野志奈

   *

真夜中の半分ほどの木葉木菟 月波与生  

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◆ 短歌

なんとなく島ということだけわかるジャマイカみたいな距離感の人 水の眠り

銀毛のチガヤの飛んで六月はふんわり職場に居場所ができる 水の眠り

右折して左折左折のまた左折つまり私の隣においで しまりす

   *

この世に生を受けた瞬間から死に向かって歩いてる 影藤遥香

腕時計覗く手元に眠る跡 変わらぬままに静かなままで ひらん

「主婦じゃん」とカゴ付き自転車笑われる母には笑顔でキャベツを渡す 円山すばる

結局は 煙草くゆらせ どこ吹く風 気がむくまでは 煙もこない 麻月

土手沿いを一人自転車漕ぐ君の背中押してる風になりたい しまりす

まあるいものは すべて良し やわらかいものも すべて良し かたいものは悪し ぺろぼっこ

ただ君と心置きなく語りたい 法も世代も時さえ超えて 何となく短歌

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◆ 詩・短文

こけむせ
こけむせ
むせてけ
むせてけ
あっちも
こっちも
てんやの
わんやで
たのしい
たのしい 
わあい (ちゅけ彩緒)

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◆ 作品評から

鈴蘭や一人にひとつづつ孤独 カオルル
 ~一人づつの孤独。良いですね。人は、基本的に一人なんですよ。そんな孤独も大切です。(さちの扉)

祝の詞さえ言えずに眠る アリタ別館
 ~心に余裕がなかったり、時間に余裕がなかったりするとなにも言えずに一日を終えたりすることもあると思います。「さえ」とあることから、そのことを後悔しているのかもしれません。(季川詩音)

夏木立風は自由とかそうじやないとか カオルル
 ~そもそも「風は自由」は慣用的でどうしようもないのを「そうじやないとか」で爽やかに切り返して面白い。(月波与生)

ざらざらと春の破片をのんでみる 椎名つの
人類の一日分を飲んでいる  西沢葉火
 ~のむ(飲む、呑む)句をふたつ。「みる」と「いる」の違いも面白い。人間はいろいろなものをのんで暮らす。(月波与生)

調子よく銚子電鉄阿字ヶ浦 笛地静恵 
 ~『調子よく銚子』のリズムがすごく好きです。なんとなくですが、楽しい感じがしますね。(季川詩音)

君という名前の天気があったら 季川詩音
 ~泣いたあとにしか、虹は見えない(コマさん)

銅鏡に浮かんだ錆とぼうふらと しまねこくん
 ~ああ、きれいですねえ。銅鏡だから緑青がびっしりとつく。古い沼のようにしずもる。やわらかいから。歳月に傷がつく。ぼうふらのように白く泳ぐ。静かに美しい句。(笛地静恵)

二時の空虹無き目に滲む汗 季川詩音
 ~この一句、情景が目に浮かぶ素敵な俳句ですね。 今日の暑さを思い出しました。(ドルーピー・イヤーズ株式会社)

あちらのお方からですリステリン 笛地静恵
 ~わたしは、おかわりが必要かもしれません。(飯島雅史)

方舟の救命ボートでたどり着く 蔭一郎

 ~「方舟」ってのが良いですよね。どんな種類かと思いきや、「救命」なのですね。助けが来たらホッとしますし、その情景も浮かんできました。(季川詩音)

少しずつ色づいてゆく紫陽花の梅雨の代筆やわらかな雨 水の眠り
 ~「少しずつ」「やわらかな」「梅雨の代筆」と少々うるさい。「黙って雨を見てろよ」とか言われそうである。(月波与生)

跳び蹴りのバナナをかわす偽バナナ 蔭一郎 
 ~「跳び蹴りのバナナ」を擬人的に読むと「偽バナナ」でつまずく。なのでそのままバナナそのものとして読んでみると不思議な可笑しさが湧いてくる。メタな「偽」が効果的。(月波与生)

歴史から一歩離れた所に蚊 しまねこくん
 ~満天の星第3回川柳誌上大会のお題のひとつが「歴史」。出てしまったけど応募すればよかったのに的な佳句。(月波与生)

あなたかと思ふ夏蝶窓より来 カオルル
 ~良いですね。夏蝶になって、窓から訪れるあなた。と思える恋心をさらりと詠んでるような。(さちの扉)

居眠りを100グラムずつ売りに出す しろとも
 ~100グラムという単位がスーパーマーケット的で面白い。 100グラムの居眠りとはどれくらいの量であろうか。(月波与生)

雨足にショパン、ゴスペル、ニルバーナ更新をするプレイリストを 水の眠り
 ~「雨足にショパン」がらどうステップジャンプしていくか。ニルバーナはいいね。 (月波与生)

ミッションは寒い絵画に入ること クイスケ
 ~二次元になれという難しい「ミッション」。「寒い絵画」で何かの絵を思い浮かべばいいのだけど。(月波与生)

花栗の息するやうに揺れてをり カオルル
 ~風に揺れながら、息を吸うように。良いですね。揺れる姿は、生きてるような感じですよね。(さちの扉)

憧れはとうの昔にアロハシャツ しまねこくん
 ~『とうの昔に』という表現が良いです。最近はあまり見なくなったような気もします。時代の流れというか、憧れる人がいなくなったのでしょうか。(季川詩音)

なんとなく島ということだけわかるジャマイカみたいな距離感の人 水の眠り
 ~孤島… あ、いや孤高の人(山羊の頭)

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◆ 第224号句会報ダウンロードはこちらから

第224号句会報(PDF)

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