さみしい夜の句会報 第213号を発行しました

さみしい夜の句会
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                    画像はBrigitte FeraugeによるPixabayより

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さみしい夜の句会報 第213号(2025.3.16-2025.3.23)

第213号の参加者は54名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

前回212号のお知らせポストのインプレッション数が22,000を超えていて驚いてます。露出が増えました。そして尖がった作品が継続して多いことに感心しています。投稿のたびに上達している作品を読むのも設置者の喜びです。1週間に1つだけでも毎週投稿してただけたらとても嬉しいです。

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◆ 参加者(54名)

クイスケ、蔭一郎、呪街管理人、しまねこくん、宮坂変哲、fuu_、靈夢、輪井ゆう、西脇祥貴、季川詩音、ユミヨシ、石原とつき、岡村知昭、雨音代本版、西沢葉火、アリタ別館、しんいち、水の眠り、タカハシカオルル、山田真佐明、桜咲蓮希、池田 突波、ダリア220、谷下弱弱(たにしたつよし)、気まぐれさん、漁火いさな、しろとも、西沢葉火、古城エッ、souko守宮、chu短歌,、雨音、伊藤どらやき、牛田悠貴、石川聡、笛地静恵、何となく短歌、汐田大輝、流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬、鈴木雀、川瀬十萠子、内海千智、𝘮、水柿菜か、雷(らい)、まどけい、松本桃英、ホワイトアスパラ、武井窓花、ゆりのはなこ、1人用こたつ、影藤遥香、月波与生

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◆ 川柳・俳句

お彼岸のランゲルハンス島は雨 タカハシカオルル

おもむろに青が流れる水墨画 蔭一郎

横長の信長だけのかけ流し  山田真佐明

代わりと言ってはなんですが蟹を履く 牛田悠貴

カワウソが居座っているALTキー 汐田大輝

海老天のほてりのような髪にして 汐田大輝

地図にされてた頃の中島みゆき 西脇祥貴

お見事な死と誉められて泣けぬ通夜 souko守宮

春一番リングにイノキボンバイエ 宮坂変哲

愛でられることなく独り山桜 宮坂変哲

それだけか三面鏡の過ちは 岡村知昭

集めていたあなたが忘れた言葉 輪井ゆう

しやぼん玉健康法のどれも無理 しまねこくん

二秒だけ開く合格の掲示板 しまねこくん

自然薯に認定されて椅子がない 内海千智

桜月最東端の駅変わる 季川詩音

人生の過去問ひとつほしいです 季川詩音

急ぎ来るポリエチレンの陰陽師 クイスケ

   *

乳白色の夜、ベランダで想う 呪街管理人

ネモフィラの 『まざーぐーす』な 愛らしさ 靈夢

反響する 忘れられない言葉…  fuu_

打ち返す目盛りが弱の流れ星 代本版

特殊招待制リボン  西沢葉火

左フックのさようなら アリタ別館

追い焚きで夕焼け空を追い詰める しんいち

木蓮見る限り君は悪くない 池田 突波

たんぽぽや膣に指を挿れたのに ダリア220

画面には知らない街の春ばかり しろとも

上手に歌うあの子が嫌い 伊藤どらやき

手を捨てた空に生命線たるむ 牛田悠貴

おもむろに寂びた昭和にあう通り 石川聡

地下鉄の壁の染み逃げろ 笛地静恵

淡雪の唯土にただ染むばかり  川瀬十萠子

石になりそんな話の風をきく 雷

点字ブロックが気になる日の花粉症 まどけい

肺よろこんでこちらのケントはもう卒業 ホワイトアスパラ

天よりの糧と不在票に記す 武井窓花

昆布飴なかったことにしたい今日 ゆりのはなこ

『憐憫』の文字が書けずに涙ぐむ 1人用こたつ

上手に歌うあの子が嫌い 伊藤どらやき

   *

ララララでしか歌えない歌  月波与生

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◆ 短歌

すぐ横で眠るあなたを起こさずにうどんを作る生理前夜 水柿菜か

煮るなり(お豆腐でした)焼くなり更地を鉱水まがりなり 石原とつき

飲むことはないけど誇大広告の浮力をつかい人波泳ぐ 水の眠り

今夜君の夢に登場予定です芝居でいいから相手をしてね chu短歌

   *

無駄遣いした性交が潔く散ってくれたのなら、それならば ユミヨシ

反応が 全くこない 世の中が 一番平和な 時だと思う 桜咲蓮希

都心から少し外れたアパートのデカい机にピリ辛キムチ 谷下弱弱

漆黒のあなたも闇になくんだね夜露が羽を濡らしてもなお 漁火いさな

この曲はアルバム内の名作でCMソングと知る由もなく 古城エッ

関わって影響されて変わってく私が愛しい私があわれ 何となく短歌

熱々のコーヒーが飲みたい猫舌のわたし 流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬

三月の雪あこがれた大人ではなくても雪がうれしいままで

鈴木雀

まやかしに騙されないでさみしさを飲み込むときはみんな一緒よ 𝘮

苦手な場所に苦手な人と行く苦行 せめて片方だけにならない? 松本桃英

春前に夜更かしをするのはさよならの準備をしているから 気まぐれさん

乃木中そこさくひなあいを観て寝不足で明日の仕事はどうなることやら  影藤遥香

多分もう既読も付かない。それはもう覚悟だろう君の揺るぎない 雨音

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◆ 詩・短文

はい、おしまい。
失恋は1年だけよ、別れの春よ。(気まぐれさん)

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◆ 作品評から

画面には知らない街の春ばかり しろとも
 ~「SNSを見ていると、いろんな人たちが春を感じさせる写真を載せていて、気づいたらそればかり。」とも詠めて現代的で興味深いです。(季川詩音)

桜月最東端の駅変わる 季川詩音
 ~桜月という季語があるんですね。目に鮮やか。駅の風景が変わるのか、最終駅が閉鎖されて一つ手前になるのか。いずれにしても桜前線が移動するように、世の全ては生々流転するのでしょう。(宮坂変哲)

おじさんの口の匂いのしやぼん玉 しまねこくん
 ~面白いけどなんかイヤ、という人が多そうな川柳。よく「加齢臭」と書かれた川柳を見かけますが、こんなのよりは句ジカラはるかに上です。でも生理的にイヤ 笑。 (月波与生)

また靴下がシンデレラ 西沢葉火
 ~むかし「トンデレラ、シンデレラ」というCMが流行りましたな。王貞治が通算756号本塁打を打った頃でした。「また」があの頃へ誘います。(月波与生)

寺を見る目のうらにある寺がある 雷 
 ~「ある」の重なりが不思議なねじれを生んでいる。雷さんは最近このような句が多く独特の世界を作り上げている。(月波与生)

生写真との距離が上手に保てない しんいち
 ~「生写真」というのがエモーショナルだ。ブロマイドという言葉はもう死語なのだろうか。「上手に」は不要かも。 (月波与生)

細々とサイバー攻撃されている 内海千智
 ~満天の星第2回誌上大会で「アナログ」という題を出したが、もしこの句が投句されていたら上位に入るだろうという句。第3回も実施するので是非参加して下さい。(月波与生)

特殊招待制リボン  西沢葉火
 ~雰囲気ですけれども、特殊相対性理論みたいですね笑  (季川詩音)

二秒だけ開く合格の掲示板 しまねこくん
 ~二秒だけというのが興味深いですね。合格したことがわかってホッとしているのかもしれないし、自信があって受かったことを確認してすぐに閉じたのかもしれないし。でも、あんなに苦労したのに、いざ発表となると、合格を確認してすぐに閉じる気持ちもなんだかわかります。(季川詩音)

人生の過去問ひとつほしいです 季川詩音
 ~過去問は受験生の便りになる味方。傾向と対策が分かる。解いたことがある。試験で不意打ちを喰らわずにすむ。しかし、人生は、一度きり。恋愛などの重要な問題こそ、そうである。あのとき、ああしていれば。誰しも、後悔の一つや二つはある。もし正しい答えがわかっていれば。口調は軽いが、重い句だ。(笛地静恵)

愛でられることなく独り山桜 宮坂変哲
 ~桜が咲いているにもかかわらず相手にされないという儚さを感じました。 (季川詩音)

サロメからゲーム感覚プレゼント クイスケ
ふんどしの皺を見る中島みゆき 西脇祥貴
 ~#さみしい夜の句会 が誇る二大シリーズ「サロメ」と「中島みゆき」。少年ジャンプじゃないけどここでしか読めないからみんなで応援してね。(月波与生)

にぎやかに華厳の滝の顔認証 笛地静恵
 ~「華厳の滝の顔認証」が面白いだけに「にぎやかに」の修飾が文字通りうるさい。もっとふさわしい言葉がこの世界にはあります。(月波与生)

ため息の端から端をよもぎ餅 山田真佐明
 ~「ため息の端」はどのなのかわからないがそれが「端から端」である。なにか想像を超えた始まり方であるがそれを「よもぎ餅」で落とすのはテクニシャンのやり方で。(月波与生)

お彼岸のランゲルハンス島は雨 タカハシカオルル
 ~ランゲルハンス島というワードチョイスが面白いなと思いました。理系だったのでこういう発想めちゃくちゃ好きです! (季川詩音)

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◆ 第213号句会報ダウンロードはこちらから

第213号句会報(PDF)

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