さみしい夜の句会報 第207号&第208号を発行しました

さみしい夜の句会
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                UnsplashChristopher Martynが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第207&208号(2025.2.2-2025.2.16)

第207号&第208号の参加者は74名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

2月22日、青森市のブックカフェ&バーボヘミ庵にて「さみしい夜の句会」in 青森を行います。真島久美子さん、福士かれんさん、月波与生による披講と入選句についてディスカッション、真島久美子句集『恋文』から20句を読む、などを予定しています。

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◆ 参加者(74名)

しまねこくん、菊池洋勝、ハッカ飴、石川聡、笛地静恵、汐田大輝、輪井ゆう、西脇祥貴、ひらん、雷(らい)、西沢葉火、何となく短歌、しんいち、季川詩音、ホワイトアスパラ、桂月、谷下弱弱(たにしたつよし)、人見佐一、わたなべ、蔭一郎、アリタ別館、にげみず、あい、みずがき なか、牛田悠貴、宮坂変哲、涼、しろとも、水の眠り、月階柚、池田 突波、星野響、片羽雲雀、月瀬 葵葉、山田小太郎、塩の司厨長、なさわご、souko守宮、石畑由紀子、江口ちかる。、ねむい、やは、山羊の頭、汀、根古野文々、涼閑、早坂ユキオ、ユミヨシ、ウーたん46、東こころ、佐井杜有、akao、古城エッ、朝森たけ、いずみ、一睡、岡村知昭、石原とつき、城水めぐみ、蜜、桔梗、漁火いさな、いんざわんけい、砂原妙々、クイスケ、海馬、成瀬悠、名犬 ぽち、クラウディアK.S.、ふくろうたかこ、白石ポピー、Shiho、柔らかい殻、月波与生

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◆ 川柳・俳句

知らない男の横顔が自分である写真 雷(らい)

口パクでも罵声とわかる冬ざれ 雷(らい)

へその緒はスノードームに忘れたの souko守宮

植物になりたい足が落ちている 汐田大輝

世界史上いらない海老を侍らせる 汐田大輝

芽吹くとき中道右派が美しい 汐田大輝

慟哭を沈めるための擬似国歌 汐田大輝

脳内の歌だけ響く部屋にいて なさわご

ブロッコリーで殴らせて 西沢葉火

検便の朝は茶柱なのかしら 西沢葉火

漢字一つが墓である 西沢葉火

刺すための角《シビルウォー》粉々に 片羽雲雀

笑わない鶯餅をもみほぐす 石川聡

過失器ついたヒーター月齧る 石川聡

摩天楼の 皇居の森の春の霞 石川聡

主の顔を靴も下着も脱いで踏む しまねこくん

土下座には土下座の手本梅匂ふ しまねこくん

立春になつても下りやすい腹 しまねこくん

給料に足りない分はシクラメン しまねこくん

帰る気が無くても帰れ雪女 しまねこくん

三枚に下ろす鰯の待時間 菊池洋勝

節分や丁寧に着るヒトの皮 souko守宮

コードネームはテキーラ水イボ潰します 江口ちかる。

テキーラ的つけまでジーナ・ローランズで 江口ちかる 

「いかにも」は器にそっとよそいます 江口ちかる

胎内で蹴られて先に出て、それっきり 石畑由紀子

雪に寝て雪の音楽嗅いでいる 石畑由紀子

傘立てに紛れてずっと待っている 城水めぐみ

個性的肉球占いは得意 いずみ

また振られたよ 宇宙の端を齧る 蔭一郎

うずくまる背に盆梅の根が走る 蔭一郎

本命が変わって青を集めだす 東こころ

祭日は悲話を捥ぐ中島みゆき 西脇祥貴

花婿にあげる乳首はひとつだけ やは

知らずに使命果たすリップクリーム 輪井ゆう

未だ戸惑っているペンの持ち方 輪井ゆう

生姜湯のボランティアより鼻にくる 成瀬悠

ラザニアに乗った僕たちはもう海 成瀬悠

帰納法により小鳥は歩き出す 成瀬悠

樹液とべろチュー公然の秘密 クイスケ

男子校から見えるめちゃくちゃな青 クイスケ

一ヶ月ぶりの戦友流し込む クイスケ

髪型がきょうも決まらぬ映画館 海馬

オゾン層の真似をされても困るなあ 海馬

   *

名に鯨が入る君は冬生まれ 季川詩音

口をひらくと生まれてくる非社会 しんいち

少し長いけどお休みと君に言った わたなべ

酒やめた。モンエナピンクのジュース割り あい

苦しみは丸めたティッシュとポケットに みずがき なか

自主性を発揮しまくり大赤字 宮坂変哲

レシピ見て寄せ鍋作り温まる 涼

チョコレート満月猫は腹八分 しろとも

春泥に汚れる詩人汚れぬ詩人 池田 突波

失せし恋泣かず菫の砂糖漬け 星野響

点滅の横断歩道ケンケンパ 塩の司厨長

物語語り尽くして忘れ草 涼閑

心から溢れてしまうパトラッシュ 佐井杜有

号外の通知さらさら春来る 赤尾

あなたの番コスタリカって言ってごらん 岡村知昭

如意棒の正三角形や温かさやど忘れ 石原とつき

アルバムに涙の果ては無いと知る なさわご

   *

ハラスメント図鑑にない嫌がらせ 月波与生

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◆ 短歌

極限に短くなった鉛筆が定年の日を迎えた朝に 山田小太郎

顳顬に人差し指を押し当てる儀式そろそろあなたがほしい片羽雲雀

壊れかけのオルゴールに最後のキス 少女時代へfineをわたす 水の眠り

さみしさにミルクを混ぜてあたためて飲み干すひとりの夜のルーティン 𝘮

さみしさを夜な夜な煮詰めジャムにするジャム職人の夜が更けてゆく 𝘮

神様はいないと分かった物理学サンタはいるって信じる美学 谷下弱弱 

身体の深いところで動いてるウイルスソフトが今夜も重い ユミヨシ

ファスナーをもう上げきるよ君からの望みすべてを受けきれなくて 石川聡

孤独って夜に吠えても「しずかに!」と言われないことかもしれなくて 根古野文々

   *

エスコートしてくれる人いないまま着付けの趣味は2年目を越え ハッカ飴

きのうなどなかったふりの十五日おとこが黙ってブラックサンダー 笛地静恵

眠れない夜に寄り添うさみしさもひとりじゃきっとさみしいのかな ひらん

近づけば熔けていくからこれからも遠くにあって想う太陽 何となく短歌

完熟と過ぎゆく時を告げるものシュガースポットは人生の斑 ホワイトアスパラ

暗闇の中からヒューと吹き荒ぶ風の音ばかり聞こえる 桂月

泣き顔に続く愛の日を信じたい明日があるだけで素晴らしい 人見佐一

君はまだこの目に映っているのにね シュレーディンガーのベテルギウス アリタ別館

さみしさが あふれぬように くちづけす おちょこなみなみ孤独を祝う にげみず

積み重ねられたシンバルの錆び方は大佐そのものでした 牛田悠貴

君を降る流星を見たその河を血で穢すなら僕が吐く小夜 月階柚

本日の夜のデザートこちらです ヨーグルトにせつなさを添えて 月瀬 葵葉

らしさとは 何かしらんと 仰ぎ見る 鶯谷の 月も笑う夜 ねむい

群青の想い再び深い森 案内されるブラックホール 山羊の頭

一時半 ぼくのおはようは真っ暗で オリオン座だけが見つめてくれる 汀

最後まであなたがたとえ忘れても名もなき介護させてもらうね 古城エッ

冷静で居られなくなる君の事確かめたくてまだか夜明けは 朝森たけ

貝の櫛人魚の海に放り投げ 錆びた月夜に歌をささげる 一睡

まだ逝くな一重ひとえに乞い願う落ちても山茶花紅い山茶花 蜜

ともだちが1日でも早く良くなって命を分けることさせて神様 桔梗

月のない夜があってわたくしは闇に漂い包まれ眠る みずがき なか

ぎゅっとする わたしが君を置いて死んじゃったとき用にとっておいて 漁火いさな

猫に似た心ばかりの建ち並ぶさみしい夜の建築士たち いんざわんけい

アスファルみるみる乾く街灯のさみしさなんか無視するように 砂原妙々

半欠けの月は夜空を笑顔にし少しだけ赦されたみたいだ 早坂ユキオ

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◆ 詩・短文

誰かと比較しなくっていい。 一人一人の個性を認めよう。 ウーたん46

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◆ 作品評から

土下座には土下座の手本梅匂ふ しまねこくん
 ~土下座にも手本があるんか!目から鱗。土下座の練習してて梅が匂ってくるのに気付いてる作中主体の心の余裕に俳味があるね。土下座と梅の取合せは斬新。(石川聡)

帰る気が無くても帰れ雪女 しまねこくん
 ~だからぁ~私はぁ~。(名犬 ぽち)

摩天楼の 皇居の森の春の霞 石川聡
 ~春遠からじですね〜、日本の俳句はすてきですね。(クラウディアK.S.)

点滅の横断歩道ケンケンパ 塩の司厨長
 ~やめてください。早く渡るか戻るかしてください(ふくろうたかこ)

摩天楼の 皇居の森の春の霞 石川聡
 ~いいですねー!今度拝借したいです (白石ポピー)

うずくまる背に盆梅の根が走る 蔭一郎
 ~私も根があったらなぁ(Shiho)

半欠けの月は夜空を笑顔にし少しだけ赦されたみたいだ 早坂ユキオ
 ~美しい。目に浮かぶ情景、気持ちにスッーとしみました。ありがとうございます(柔らかい殻)

空容器としての機能を備えてその辛酸を口から受ける 砂原妙々
 ~「機能を備えて」って感情が見えない不思議な言い回し。しかも空容器な自分に「辛酸」という感情を入れようとしているようで。(月波与生)

今日もまた大学いもが降っている 成瀬悠
 ~大学いもが降っているなんて素敵なことで多少の厭なことはガマンできそうだ。川柳の場合何を降らせるかが想像力の見せ所。(月波与生)

くぼみというくぼみに塔を建てました 江口ちかる 
 ~能動的な「建てました」がいい。現状維持的な自分なら「建っている」にするところ。しかも「くぼみというくぼみに」だという。前向きに。(月波与生)

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◆ 第207号&第208号句会報ダウンロードはこちらから

第207号&第208号句会報(PDF)

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