UnsplashのKelly Sikkemaが撮影した写真
さみしい夜の句会報 第202号(2024.12.28-2025.1.6)
第202号の参加者は60名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
2025年最初の句会報です。「さみしい夜の句会」はコロナ禍で思うように句会が開けなくなったときの作品は発表の場として誕生しました。コロナが落ち着いたあたりから投稿数も減り「このまま投稿も減り続け句会の役割も終わるのかな」と思っていたら最近は新しい人が増えて来て、参加者の過半数が入れ替わりながら句会が続くという面白い現象が起きています。201号から句会報をネットプリントサービスを利用してプリンターをお持ちでない方も気軽に印刷できるようにしました。また、Xのスペースを利用して(毎週とはいきませんが)、参加者のみなさんと投稿作品についてお喋りしたいと考えています。2025年もご参加よろしくお願いいたします。
◆ 参加者(60名)
牛田悠貴、笛地静恵、片羽雲雀、みくたん、しまねこくん、蔭一郎、輪井ゆう、水の眠り、ねこまた、何となく短歌、人見佐一、リンネリンク、山羊の頭、円山すばる、西脇祥貴、大月、わたなべ、季川詩音、nes、crazy lover、しんいち、石川聡、恭仁涼子、いずみ、涼閑、汐田大輝、コナツ、影藤遥香、矢口れんと、西沢葉火、ホワイトアスパラ、岡村知昭、宮坂変哲、みみみ、雷(らい)、ハッカ飴、かれん、折戸みおこ、ユミヨシアユム、しろとも、菊池洋勝、流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬、ゆりのはなこ、まどけい、もふもふ、古城エッ、天やん、こっちゃん、成瀬悠、海馬、クイスケ、TokyoRose、白石ポピー、名犬 ぽち、下野みかも、とるばどーる、ろいくちゃん、猫野ししゃも、JUN、月波与生
◆ 川柳・俳句
餅突いてヒーローショーを締めくくる しまねこくん
剃毛に処する大根洗ひけり しまねこくん
多すぎて分からんパスワードが海豚 しまねこくん
再認証お願いしますお正月 しまねこくん
満貫 床で眠る中島みゆき 西脇祥貴
つま先を着けずに歩く渋谷駅 汐田大輝
正体がわからないから魚沼産 汐田大輝
砂肝のあるわたしからプレゼント 岡村知昭
相席のひとへ愚問を投げかける しんいち
人間を真似ても私 わたなべ
大雪に卒塔婆突き刺す鶴彬 大月
猿にだけ分かる写真集を編む 牛田悠貴
小寒の風邪ひとりには慣れぬまま 片羽雲雀
秋はもうプラスチックの葉の名前 輪井ゆう
過不足のないダダよりダダダ 海馬
切り抜いたダークホースの露出量 クイスケ
後攻が密室劇というタイプ 成瀬悠
冬がぼやけてしりとりが終わらない 成瀬悠
野うさぎがチーズナンへと変わる場所 nes
教科書に似合うコーデを考えて nes
接続のかんじが良くて雪だるま nes
野うさぎがチーズナンへと変わる場所 nes
*
ぐうの音もでずに土偶の目をほそめ 笛地静恵
大晦日マトリョーシカはちりぢりに 蔭一郎
門松は在庫一掃セールされ 蔭一郎
羊日や句友より来しカレンダー 石川聡
ボクらノーメンクラツーラ 石川聡
浴槽にたたえられた水、流る縷々 恭仁涼子
コメディアンブルーおおさか冬景色 いずみ
とめどなくあふれくるもの抱く深夜 涼閑
冬凪や裕子が歳を取りたもう 人見佐一
正月三が日食っては寝て食っては寝て体重増加 影藤遥香
真夜中に頑張り過ぎた過去を泣く コナツ
言葉とともに積み上がる虚無 矢口れんと
風化したリップクリーム 西沢葉火
高機能夫哲学的ゾンビ 宮坂変哲
白湯なんか飲んでられるか冬銀河 みみみ
新しい気がかりのある松の内 雷
自己開示 小一時間の雪になる かれん
初茜ごった煮にしたあれやこれ しろとも
蒲焼の垂れの飯より美味い物 菊池洋勝
元旦に ひとり聴く ハレルヤ 流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬
オードブル値引きシールを待つ晦日 ゆりのはなこ
新年に餅刻まれる年とけた餅 もふもふ
白鷺の年を惜しんで枯る声や 天やん
置いちゃうよ床は本棚じゃないのに 季川詩音
*
あいまいな記憶で臍を探す人 月波与生
◆ 短歌
今年度一度も連絡してない人達に送りたくなる年末のLINE こっちゃん
鶏皮は苦手なんですぶつぶつで縮こまってて自分みたいで ハッカ飴
平泳ぎたまに背泳ぎ日を浴びて伸び代をゆくブルーオーシャン 水の眠り
上様と初めて書かれた領収書ポニーテールをちょんまげにする 水の眠り
*
いつの間に頭はメニューの事ばかり悲しくもあり嬉しくもあり みくたん
死にたさを数えて生きる同士だと知ってあなたの虜になった 何となく短歌
手のひらにふわりと降りて溶けてゆく想い出だけが心につもり ねこまた
夜の海 仄かに白い波飛沫淋しさ抱えて浜辺を彷徨う リンネリンク
やっぱりさ反応欲しくて元アカで意味ないよねぇどうしましょうね 山羊の頭
あの夜の後部座席に戻ってみたい夜の首都高、ガスタンクの灯… 円山すばる
居酒屋で夜の帳が下りる頃「づぇったいだいじょぶ」と友は言う ホワイトアスパラ
ようやっと寝ついた瞼をふちどる小さなまつ毛を照らす午後の陽 折戸みおこ
ニューイヤーあの日のままのこの部屋にあなたに今、いて欲しいユミヨシアユム
笑顔とか寄り添い方の迷路にはAIチャットに従う法則 古城エッ
◆ 詩・短文
痒い所に手が届く
そんな人が目標
今日は少し近づいて
明日はまた遠くなる
そんな毎日
まだまだ道は続く
たどり着けない目標
未熟者で当たり前
自戒ばかりの夜
そんな人生が楽しくもある(crazy lover)
*
「私だけが落ち込まないように空も暗いし、私が立ち上がれるように街灯は明るい。」(季川詩音)
◆ 作品評から
小寒の風邪ひとりには慣れぬまま 片羽雲雀
~ひとりには慣れぬまま、いいですね。(石川聡)
~お大事になさって下さい(TokyoRose)
接続のかんじが良くて雪だるま nes
~nesさんこんばんは。雪だるま句好きです。(石川聡)
ボクらノーメンクラツーラ 石川聡
~要素を巧みに全拾いしてくださってありがとうございます。リーゼリタリンレボトミンの並び、もしかして石川さんも…(白石ポピー)
再認証お願いしますお正月 しまねこくん
~しばらくお待ちください。(名犬 ぽち)
門松は在庫一掃セールされ 蔭一郎
~縁起物である門松が在庫として残るという矛盾が面白いと思いました。しかしながら、残り物には福があるというのを考えると、その門松を飾ることでもっと福がやってくるのかも?と思ったりしました。(季川詩音)
野うさぎがチーズナンへと変わる場所 nes
~チーズナン少し陽だまり味がした(下野みかも)
上様と初めて書かれた領収書ポニーテールをちょんまげにする 水の眠り
~楽しい御歌。最初の上様がパンチあります。てっきり暴れん坊将軍が好きなのかと。(とるばどーる)
介護士の下ろすパンツや秋湿り 菊池洋勝
~先日介護演習をやって紙おむつ履いての交換しあいっこを体験しましたが気づきの多い演習でした。男は介護される前に紙おむつ履いて演習すべし。(月波与生)
鯛焼の期待されてはいない方 しまねこくん
押し入れにどら焼きひとつ置いてみる 季川詩
~鯛焼きとどら焼きの句。尻尾の方が好きと言う人もいるわけで人生捨てたもんじゃない。ドラえもんが去った後の風景。(月波与生)
ニューイヤーあの日のままのこの部屋にあなたに今、いて欲しいユミヨシアユム
~新年初ですかね。いい短歌ありがとうございます。あなたにいてほしい!(ろいくちゃん)
大晦日マトリョーシカはちりぢりに 蔭一郎
~そらさみし。(名犬 ぽち)
置いちゃうよ床は本棚じゃないのに 季川詩音
~分かり過ぎてちょっと辛いです!!(猫野ししゃも)
「私だけが落ち込まないように空も暗いし、私が立ち上がれるように街灯は明るい。」(季川詩音)
~直感的にとても良い句だなと思いました!(JUN)