UnsplashのCynthia del Ríoが撮影した写真
さみしい夜の句会報 第201号(2024.12.22-2024.12.28)
第201号の参加者は54名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
2024年最後の句週報を発行します。今年もたくさんのご投稿ありがとうございました。ここの句会をきっかけにして本格的に創作を始めた方もいるのではないでしょうか。自分の言葉で表現する喜びを忘れず創作を続けていってくれたらとても嬉しいです。2025年が良い年になりますように。
◆ 参加者(54名)
西沢葉火、蔭一郎、しまねこくん、菊池洋勝、M*A*S*H、笛地静恵、みくたん、西脇祥貴、塩の司厨長、季川詩音、水の眠り、汐田大輝、しんいち、ハッカ飴、古城エッ、石川聡、エミリー・メープル・ボーン、しろとも、胡椒 黒、水の眠り、恭仁涼子、何となく短歌、涼閑、リンネリンク、宮坂変哲、雷(らい)、池田 突波、ホワイトアスパラ、影藤遥香、岩永桂、城水めぐみ、牛田悠貴、nes、月硝子、ゆりのはなこ、まつもともとこ、mayu kanamori、流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬、朝森たけ、みずがきなか、片羽 雲雀、馬勝、温水ふみ、藤井智史、いずみ、矢口れんと、岡村知昭、クイスケ、海馬、成瀬悠、まんさく中村、名犬 ぽち、つぼりん、月波与生
◆ 川柳・俳句
しろくまのうしろの熊を撃てば済む 岡本知昭
躓いて知覚過敏になった蛇 いずみ
底辺を彷徨った地上の星よ 藤井智史
本棚のそばでするひかりのはなし 温水ふみ
●RECの次は水のてのひら nes
帰宅して肋骨をころがしている nes
鯛焼の期待されてはいない方 しまねこくん
揉み消しの揉みが年末らしい揉み しまねこくん
指先で丸めて弾く年の暮れ しまねこくん
数へたら数へ終わつてしまう日々 しまねこくん
ファミチキを買い占める日が聖夜だろ 恭仁涼子
恫喝へ ° を落とす中島みゆき 西脇祥貴
廊下から西を見る中島みゆき 西脇祥貴
今月分の人間性が実家から送られてくる 牛田悠貴
雨の日は眠るクジラのすべり台 城水めぐみ
車両から車両へ渡る冬の蝶 蔭一郎
冬の日のお墓に焼そばをかける 蔭一郎
宗教の異なる兵に抱かれたり 笛地静恵
押し入れにどら焼きひとつ置いてみる 季川詩音
月の引力で蕎麦を曲げる しんいち
介護士の下ろすパンツや秋湿り 菊池洋勝
民族に伝わる尿意 西沢葉火
モザイクを掛けても見える地縛霊 汐田大輝
湯をかけて3分待てばお正月 しろとも
愛し合うデンタルケアをずり落とし クイスケ
油断したサロメの手に歯間ブラシ クイスケ
意外なコンプレックスでおもちを焼くの 海馬
月に吠える/吠えないの二択 海馬
めまいから始まるあのクリシェ 海馬
ないている電線なでて笑われた 成瀬悠
*
棍棒で遊びまくって年送る M*A*S*H
縺れても一本の糸。 塩の司厨長
去りかたさざんか 石川聡
手ぶらの手ぶらぶらさせて空にパア 涼閑
大晦日膝を抱えて入る風呂 宮坂変哲
人のない窓が人を待つ始発 雷
今日という祝祭が終わる ホワイトアスパラ
メリクリ口ずさむエレベータに凭れ 池田 突波
クリスマスお洒落に寒さと戦うミニスカート 影藤遥香
今月分の人間性が実家から送られてくる 牛田悠貴
クリスマス通知簿以後は禁教令 月硝子
二割引弁当食べる聖夜かな ゆりのはなこ
サンタの揚げたファミチキを食べるイブ まつもともとこ
天職や父また遅く冬の空 mayu Kanamori
罰ゲームのような 雪の歩道を歩く 流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬
生牡蠣をすする音さえ徒となる 片羽雲雀
いつもより時給が高いクリスマス 馬勝
ポインセチアに伸ばした手を下げる 矢口れんと
*
Any Time at All 口笛だけですむ話 月波与生
◆ 短歌
やっと今サンタはいないということに気づいたように恋を手放す 何となく短歌
あと少し痩せたい私を止めるきみ名前はないけどきっと愛情 ハッカ飴
紫陽花を逆さまにして閉じこめた雨を弾いたひかりの日々を 水の眠り
*
年末や隣の部屋の早朝いびき家族の多さに幸福度増し増し増し増し増し増し…… みくたん
寂しさの最上級を受け止めてズレないように踏まないように 古城エッ
ネトウヨと悪魔が踊る地獄から飛んだ小鳥が着いた青空 エミリー・メープル・ボーン
人ひとり欲さず澄んだ湖の砂底にただ横たわるきみ 胡椒 黒
冬の夜 窓から見上げる瞬く星座僕もその中に入れてくれないか リンネリンク
昔ほど盛り上がらないクリスマスチキンとケーキ準備はするか 朝森たけ
電気消し潜り込んだ布団の中冷たさ覚え母が恋しく 水柿菜か
面接に行くと出掛けて10時間 未読スルーで事故かと思った 岩永桂
◆ 詩・短文
※投稿なし
◆ 作品評から
指先で丸めて弾く年の暮れ しまねこくん
~いいグッド 俺も鼻くそ程の1年だったよ(まんさく中村)
冬の日のお墓に焼そばをかける 蔭一郎
~怒っとる ハチにイタツケ張り付いとるし(名犬 ぽち)
数へたら数へ終わつてしまう日々 しまねこくん
~To be continued…(鷺沼くぬぎ)
年の暮れ忘れたものは無いのかとMISIAが急かす世界にむかって 水の眠り
~ここ数年紅白のオオトリといえばMISIA。忘れ物は多いけど思い出さなければ忘れたことにはならないさ、と2024年も暮れ。一瞬NISAと見間違う。(月波与生)
美術館ならともだちになれるかな nes
~美術館は好きな場所のひとつだがともだちを作れたことがない。美術館で出会うともだちは素敵だ。みんなそう感じているが誰もともだちを作れない。(月波与生)
高音がだせなくなった名歌手のつもりになって歌うカラオケ 石川聡
~接待カラオケで河島英五は歌うな、というのがあって河島英五は接待じゃなくても歌わないのだけど言っておかないと必ず歌う奴がいたバブル末期。(月波与生)
ドップラー効果遠くに焼き芋屋 宮坂変哲
~ドップラー効果と書いてさてこの後どう繋ごうか?と考えたときよく「遠くに焼き芋屋」がでたと感心。「遠くに」がドップラー効果と連結し異種の言葉がうまく繋がっている。(月波与生)
二割引弁当食べる聖夜かな ゆりのはなこ
~学生の時クリスマスのバイトをして、その時でた弁当が超貧相で泣きたくなった事を思い出しました(つぼりん)