さみしい夜の句会報 第197号を発行しました

さみしい夜の句会
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                    Unsplashjulien Tromeurが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第197号(2024.11.24-2024.12.1)

第197号の参加者は47名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

12月からアンソロジー「さみしい夜の句会」第4集の募集を始めます。今回から1月~12月まで投稿された方の中から管理者(月波)が参加の依頼いたします。連絡があった方はなるべく断らないようにして下さいね。また、エッセイは自由参加にして投稿してなくても書きたい人を優先的に招待します。テーマは詩歌についてのことであれば自由。詳細は後日アップします。よろしくお願いします。

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◆ 参加者(47名)

蔭一郎、季川詩音、しまねこくん、温水ふみ、石川聡、汐田大輝、胡椒 黒、リンネリンク、西脇祥貴、馬勝、城水めぐみ、塩の司厨長、牛田悠貴、西沢葉火、水の眠り、星野響、流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬、ユミヨシ、夜船 モモ、しろとも、片羽雲雀、朔、良仁、雷(らい)、鈴木雀、千春、まどけい、石原とつき、いずみ、なおちゃんねる、りゅーせい、折戸みおこ、松柏木、ホワイトアスパラ、朗読ムメイ.、ハッカ飴、平本文、靈夢、朝森たけ、山羊の頭、名犬 ぽち、空と旅人、もりたけ、まんさく中村、コマさん、chocolat、月波与生

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◆ 川柳・俳句

やる事を思い出してからの時計 雷

小鳥のような気持ちが渋滞にとまる 雷

思考を本棚にして中島みゆき 西脇祥貴

エヴァンスを聴いて眠るや虎落笛 まどけい

恋人と小指との距離 西沢葉火

悪化のit is 輪っか 西沢葉火

はるか沖へと両替される枯野 蔭一郎

巫女たちのオフの日となる冬の浜 蔭一郎

パレードに暦売までまざりこむ 蔭一郎

水掻きですべての星座ばらす鴨 蔭一郎

銀杏黄葉沼から片手ぬけだして いずみ

やわらかい退屈だけは許すパン しろとも

解決の前に十一月がある しまねこくん

働けば働き損になる師走 しまねこくん

採血の時に告白されました しまねこくん

人類が滅ぶか鯛焼か選べ しまねこくん

ブルゾンを脱いで砂漠になるゲーム 汐田大輝

リベラルな調理家電で獏を煮る 汐田大輝

イルカ語を受信している楕円形 汐田大輝

哀悼も温めあって紅蜜柑 片羽雲雀

朝一のポツンと一人映画館 季川詩音

ハノイでもこの夜空が見えてますか 季川詩音

リアリティはもう要らないわ神の留守 星野響

米だったころ助手席が硬かった 牛田悠貴

夜遊びのたびに安全ピン曲がる 城水めぐみ

罰として何度も出会うずわい蟹 馬勝

ドリスヴァンノッテンのノッテにのって 胡椒黒

土踏まずに海を教える旅をする 温水ふみ

光り出す 誕生石を誤飲して 温水ふみ

抱かれては鳩の仕草が懐かしい 千春

   *

冬銀河オペラグラスへ仕舞い込み 塩の司厨長

奥までいれたのに冷戦は続く  良仁

エピグラフ エビピラフにもなれないで 鈴木雀

未処理の件夢でも策を探すか なおちゃんねる

バスケットシューズのキュッと鳴るのがいい 松柏木

アロハシャツ似合う男子になりたくて ホワイトアスパラ

   *

羽交締めされてる人の自己評価 月波与生

北区から墨田区までのやるせなさ 月波与生

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◆ 短歌

並べ見る誰にも用のない昼にさみしい夜の句会のタグを 朗読ムメイ

火曜日はわくわくすると言うイオン 駐車場から迷わせている 水の眠り

新雪に足あとつける一人目の鼓動は早い月面着陸 水の眠り

摂氏12度 ひとりのぼっちの真夜中に響くシンクの打つ四分音符 ユミヨシ

   *

小川にて放流してたことばらがいつか短歌の海に着いてた 石川聡

真夜中に目が冴えひとり外に出る 夜に漂う海月になりたい リンネリンク

昨日の日付を窓辺に吊るして 美味しくなあれと呪(まじな)ってみる 夜船 モモ

目が冴えて眠りつけない寒い夜 ベッドで泳ぐそのうち沈め 朔

緻密なジャングルジムな描写をいかんせんあん肝 石原とつき

会社という地獄の沼で待っている 救いの糸が降りてくるのを 折戸みおこ

完璧な姿にはもう戻れない蜜入りだった切られたりんご ハッカ飴

散歩して風の冷たさ感じつつもう冬なのだ秋は過ぎ去り 平本文

自らの 心を制御 しなければ 生きてゆけない 晩秋の夜 靈夢

街道に並ぶ提灯一年はあっという間に過ぎ去って行き 朝森たけ

むらさきのしのび泣くよな祭壇に好きな花の香秋時雨 山羊の頭

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◆ 詩・短文

「申し訳ございません」って言ってるけど
ホントは思っていないよね
そんな自分 嫌いじゃないよ(流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬)

「全員で不幸になるんじゃなくて全員で幸せになる世界があったっていいんじゃない。」(季川詩音)

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◆ 作品評から

採血の時に告白されました しまねこくん
 ~チクッ チクチクチク チクチク ツートンツーツー 「はっ!」(名犬 ぽち)

人類が滅ぶか鯛焼か選べ しまねこくん
 ~鯛焼でお願いします(空と旅人)

「全員で不幸になるんじゃなくて全員で幸せになる世界があったっていいんじゃない。」(季川詩音)
 ~いつも素敵です! いい言葉をありがとうございます!(もりたけ)

水掻きですべての星座ばらす鴨 蔭一郎
 ~冬の水鳥の水かきが星座を掻き混ぜるという発想に痺れます。句柄が壮大。なおかつ、作家固有の切り口による表現の驚きと、共有できる(季節感)&映像性による共感力の豊かさ。このバランスが絶妙。(石川聡)

一日の終わりに眼鏡を外すとき世界はきれい風呂場もきれい 水の眠り
 ~「風呂場もきれい」が調べを裏切っているのだけどそれが現実で風呂場がきれいなことが世界をきれいにするはじまりなのだ。(月波与生)

手の甲へ野を刻む中島みゆき 西脇祥貴
追想の反動である中島みゆき  〃
親指の替えがない中島みゆき  〃
 ~中島みゆき句を3句。「野を刻む」「追想の反動」「親指の替えがない」と中島みゆきらしい措辞が並ぶ。(月波与生)

北区から墨田区までのやるせなさ 月波与生
 ~豊島区は池袋で形になってるからね(まんさく中村)

ハノイでもこの夜空が見えてますか 季川詩音
 ~見える星座が変わるかな?(コマさん)

会社という地獄の沼で待っている 救いの糸が降りてくるのを 折戸みおこ
 ~「見上げてる」だと、まだ能動的に動けている感じがありますが「待っている」だと受動的でより絶望感を感じました。私はこちらが好きです。(chocolat)

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◆ 第197回句会報ダウンロードはこちらから

第197回句会報(PDF)

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