さみしい夜の句会報 第194号(2024.11.3-2024.11.10)
第195号の参加者は49名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
カレンダーを捲り今回が195ということは12月22日で200号であることを知りました。この冬、少し時間ができるはずなので1号から順にプリントアウトする作業を始めたいと考えています。出力した週報は詩歌文学館へ保管をお願いしてあります。2020年代前半、ネットに発表された詩歌(特に川柳、短歌)を知る上での重要な資料になることでしょう。
◆ 参加者(49名)
西沢葉火、しまねこくん、菊池洋勝、しんいち、ユミヨシ、汐田大輝、胡椒黒、西脇祥貴、ホワイトアスパラ、円山すばる、片羽 雲雀、水の眠り、石川聡、酔名、リンネリンク、山田真佐明、蔭一郎、吉永定、ハッカ飴、古城エッ、雷(らい)、流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬、須賀 好晃、牛田悠貴、宮坂変哲、月立耀、何となく短歌、落ちる星々、靈夢、平本文、塩の司厨長、しろとも、月岡方円、織星(Shiho)、折戸みおこ、松菊梅、かわもりもとつぐ、岡村知昭、白石ポピー、人見弐一、朝森たけ、東こころ、すばるの日常、まんさく中村、統合調和症、名犬 ぽち、ShunSaito、さぁ⇉チャン、月波与生
◆川柳・俳句
じゃこ天にそっぽを向いている写真 蔭一郎
ファミレスのレミファが耳に残ります 蔭一郎
二度とない秋の軌道で会えますか 汐田大輝
この冬はモンゴル語しか使わない 汐田大輝
小石でも煮たらおでんになるんだよ しまねこくん
熟してもゐないトマトに絡まれる しまねこくん
テルモのロゴにメタリカをみる 雷
インペリテリより速い鳥の声 雷
グラハムに似ている人のサングラス 雷
HMが“ほっともっと”ではなかった頃ののり弁 雷
言葉尻ばかり追いかけ祖父になる 牛田悠貴
キラキラにしてはいけない夜が来る 宮坂変哲
ペンギンの瓶詰だとは思えない しんいち
語彙力でアイスの棒を世に送る しんいち
熱帯夜エッチな深夜ラジオかな 菊池洋勝
*
元の白湯にはお茶まらぬ 西沢葉火
冷めた視線のステラおば 胡椒黒
落ちきった砂の名が中島みゆき 西脇祥貴
嘴に咥えてほしい夢だった 片羽雲雀
病いが音階に乗るフジファブリック 山田真佐明
憩み場に蜻蛉の骸秋深む 須賀 好晃
たまに喋るときのこのことばかり 落ちる星々
山茶花や強く強くと咲きにけり 平本文
もう一度道連れにしてオリオン座 しろとも
バス揺られ寝落ち乗り越しここはどこ? 織星
ごめんなさいで綴じる今日 塩の司厨長
みのむしのてんぷらだもの風邪に効く 岡村知昭
イカロスの死をお前は笑うな 人見弐一
秋の夜に解釈違いの鶴を折る 東こころ
メモ忘れさっき浮かんだ句が沈む 宮坂変哲
自信ってどこから降るの寒昴 月岡方円
*
死人の口を描く雨のルーマニア 月波与生
◆ 短歌
深緑の防火水槽木の葉浮きプールは夏をおだやかに待つ 水の眠り
情緒より低空飛行耳たぶのピアスホールが安定しない ハッカ飴
うつくしい下着を集めて仕舞い込む脱がせる人も見つからぬまま ハッカ飴
理科室の標本になってみたかったクロメンガタスズメのドクロに 月立耀
ダイソーで多分三百円だった白の食器と私の純潔 月立耀
*
愛なんて所詮地球を救わない 僕もあなたを救えない、でも ユミヨシアユム
朝焼けに染まるベランダ光降る夜が巻いた包帯を剥ぐ 円山すばる
豚カツを揚げる二十二時 負けないで ほら、負けないで僕の胃袋 ホワイトアスパラ
焼きそばがとても食べたくなりました秋の土曜のお休みの朝 石川聡
酔いざましとして飲み会で告げられる明日のミーティング議題のはなし 酔名
淋しさが冬の光に溶け込んで やわらかい色の風景画になる リンネリンク
期限つきだからいいのと諭されて前向きになる純真無垢あゝ 古城エッ
私のお腹についているもの 人はこれを脂肪と呼ぶのだろうか 流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬
絶え間ない耳鳴りに支配された左耳は聞きたい声が聞けずに 何となく短歌
幾年も 超えし夫婦の ラブレター 愛は決して 絶えないを知る 靈夢
公園の秋は空から降ってくる いちょうにもみじ 子らに吹く風 折戸みおこ
ひとりでは寝れない夜もあったなら誰でもいいとばれるだろうさ 松菊梅
両性の合意のみにというくだり性の定義を誰が下知る かわもりもとつぐ
いない夜にはひそやかな燭台に白紙の本を積み重ねてる 白石ポピー
それはもう諦めに似た感情でそんな歳では無いからと言い 朝森たけ
◆詩・短文
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◆ 作品評から
愛なんて所詮地球を救わない 僕もあなたを救えない、でも ユミヨシアユム
~でも、に含まれた色んな思い。とても好きです(すばるの日常)
熟してもゐないトマトに絡まれる しまねこくん
~人間界にもよく居そうな生意気なヤツだね(まんさく中村)
言葉尻ばかり追いかけ祖父になる 牛田悠貴
~素晴らしい。おじいさんのモノマネをする子どもの姿が伝わってきます。(統合調和症)
小石でも煮たらおでんになるんだよ しまねこくん
~なにぬかしとるんかな?はて。(名犬 ぽち)
メモ忘れさっき浮かんだ句が沈む 宮坂変哲
~くくくくく 一人浮かんだ 句で笑う(ShunSaito)
無味無臭でしたあなたの欲望はしゃぶったことも忘れるくらい ハッカ飴
~これも「尿路結石」同様性的なところを刺激される作品であるが「無味無臭」に他者との関係性が伺われる。(月波与生)
恋人の尿路結石飲み込んで 鵠
~恋人は何をしてもいい存在なのかなあと読んでしまう。さすがに「尿路結石」は飲めないと思うが飲むのか。(月波与生)
30分おしり洗浄した日の水道代 落ちる星々
~今週はトイレ関係の句が2句ともよかった。30分おしり洗浄した感想が続くのかと思ったら「水道代」飛ぶとは…。笑いました。(月波与生)
ブルーレットおくだけのことができない 鈴木雀
~「ブルーレット」がいいね。そんなことさえできないわたし。(月波与生)
私のお腹についているもの 人はこれを脂肪と呼ぶのだろうか 流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬
~浮き輪よ浮き輪! 海に落ちた時これで助かるのよ(さぁ⇉チャン)