さみしい夜の句会報 第192号を発行しました

さみしい夜の句会
スポンサーリンク

                        UnsplashNoémi Macavei-Katóczが撮影

スポンサーリンク

さみしい夜の句会報 第192号(2024.10.20-2024.10.27)

第192号の参加者は57名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

かって自作の俳句を披露したとき「下手の横好きで…、俳句というより川柳かもしれませんが…」と言ったというエピソードがあるが、謙遜にしろ自虐にしろこういう文言は不要、自作を発表するときは堂々と公開して下さい。あなたの作品を評価するのはあなたではなく読み手です。「川柳もどき」と言った瞬間川柳全体が安っぽく見られてしまうことがあることをお忘れなく。言葉は生きてます。

スポンサーリンク

◆ 参加者(57名)

しまねこくん、何となく短歌、輪井ゆう、吾意羅、Nichtraucherchen、牛田悠貴、西脇祥貴、石川聡、温水ふみ、クイスケ、睡密堂(すいみつどう)、水の眠り、江口ちかる。、花野玖、西沢葉火、みや、菊池洋勝、宮坂変哲、蔭一郎、汐田大輝、朝森タケ、胡椒 黒、平本文、池田突破、熊谷尚、まつりぺきん、月立耀、山田真佐明、松菊梅、ハッカ飴、片羽 雲雀、ユミヨシ、多生、岡村知昭、春ひより、深名、しろとも、折戸みおこ、しんいち、リンネリンク、酔名、ビッケたん、crazy lover、霧雨魔理沙、雷(らい)、うつわ、こっちゃん、千春、星野響、古城エッ、名犬 ぽち、川柳アンジェリカ、とるばどーる、白石ポピー、じんく、あおいひなた、月波与生

スポンサーリンク

◆川柳・俳句

グラタンが身代わりとして焼かれてく 片羽雲雀

仁丹を噛んで犀にはなれなくて 岡村知昭

全盛期なんてなかったまま五十路 宮坂変哲

滝壺の生理不順を見ませんか 千春

うっすらとレゲエ流れる菊花展 蔭一郎

円陣の真ん中にいるうめもどき 蔭一郎

家計簿は何回見ても飽きないね ビッケたん

暴虐のまむしの卵たいらげる クイスケ

フィヨルドの舌がねじれゆく呪術 汐田大輝

ミツバチが囁いている懺悔室 汐田大輝

虫すだくフーガばかりのメドレーを 花野玖

おとなだから子どもの階段見上げている 山田真佐明

左から柚子です柚子です柚子ですよ しまねこくん

茸だと思つて抜いた薬指 しまねこくん

干柿をくぐつて北政所 しまねこくん

何層も重なるパフェの氷河かな 菊池洋勝

巨きなるひとの下顎汽車走る 江口ちかる

くちづけは画鋲を呑んでからにして  岡村知昭

   *

色とりどりに光り穴は真っ黒 輪井ゆう

いううつてふインキでつづる胸の内 Nichtraucherchen

俺を着こなす営業電話 牛田悠貴

駄言にあわせて揺れる中島みゆき 西脇祥貴

天気雨なにを煮れば魔法になるの 温水ふみ

こどもっぽちゃがシトとピチャ 西沢葉火

眠れずに深夜にラジオ夜長かな 平本文

性善説性悪説鳥兜 池田突破

新月の所有権を訴えてみる 熊谷尚

ドレミファソラシマスクをはずし まつりぺきん

大丈夫であっ、大丈夫ですよね 多生

駅前に昨日までいたカブトガニ 熊谷尚

日々は流せるポケットティッシュ しろとも

誰が何を言うても自分迷うなよ crazy lover

カレンダー 残り少なく なってきた 霧雨魔理沙

それからの顔は知らない魚市場 雷

バス停から昨日の夢が見えます うつわ

キジトラの大群 こっちゃん

ささめごとまた柘榴粒こぼれ出す 星野響

   *

花弁ひらひら みな句読点だった 月波与生

もう誰もいないか 笑いたいのだが 月波与生

スポンサーリンク

◆ 短歌

生きるだけ恥の厚みがましてゆく一回剥いで薬をぬりたい 水の眠り

20代なりたい自分になる方法 例題をみて反例もみる 水の眠り

ぽっかりと麦茶の場所がなくなって冷蔵庫から夏が去ってく 水の眠り

散っている金木犀の残骸をよけてイヤホンの音を上げる 睡密堂

鱗のように額から肌が落ちるから今日の私は人魚だとする 折戸みおこ

   *

秋風はさみしい心を慰める 常なるものはなしと示して 何となく短歌

林檎だに選り抜きすれど人を思ふそのさても難き迷ひ深しや 吾意羅

いつまでも見つめていてよ僕だけを宇宙にひとつ浮かんでいるよ みや

比べても仕方ないとは思いつつ隣の芝生がホントに青い 朝森たけ

こんなに仲のよいひとと寝台を分かちあわないおれは、ぶきみか 胡椒 黒

毎日を消費していて偉いでしょログインボーナスもっとください 月立耀

常緑の垣に白骨の枝のあり人の破れに遭うがごとくに 石川聡

いつだって満たされないのは胃袋の隣の心の臓のむなしさ ハッカ飴

左肩、重みを乗せて寝てみると先日開けたピアスが痛い ユミヨシ

目覚めればきみの明日はあるのかな鳴かなくなった猫をみている 春ひより

ゆるやかな影を抱えて不器用に鼓動に触れる指の空白 深名

淋しさは 急にやって来た寒さのせい ホットココアにマシュマロ乗せて飲み下す リンネリンク

酒飲みは酒飲むことで酒飲んだあとのことをようやく忘れられる 酔名

会うだけで縮まない距離褒めるだけ月に一度の週末の夜 古城エッ

スポンサーリンク

◆詩・短文

指が届かなかった手首だったのに
余りある手首に変わる
それだけで意味を持った ばかばかしい(松菊梅)

スポンサーリンク

◆ 作品評から

左から柚子です柚子です柚子ですよ しまねこくん
 ~右からそうですそうですそうですか(名犬 ぽち)

もう誰もいないか 笑いたいのだが 月波与生
 ~一艘さんっぽい!(川柳アンジェリカ)

ぽっかりと麦茶の場所がなくなって冷蔵庫から夏が去ってく 水の眠り
 ~いい御歌(とるばどーる)

常緑の垣に白骨の枝のあり人の破れに遭うがごとくに 石川聡
 ~「人の破れに遭うがごとくに」 うわあこれは沁みるほど視神経を鍛えてないと詠めないです素晴らしいです。(白石ポピー)

20代なりたい自分になる方法 例題をみて反例もみる 水の眠り
 ~「反例」がすごくおもしろいです。「凡例」だとわけわからないけどそれはそれで(蔭一郎)

「あい」という言葉を辞書で引いてみた なんだそうか、そういうことか。ホワイトアスパラ
 ~わかってるつもりの言葉を辞書で引いてみるとわからなかったことまで書いていて驚くことが多い。つまりそういうことなんだ(月波与生)

日常に不足しがちな蒸しタオル しんいち
 ~日常ではあまり使わない「蒸しタオル」。使うのは床屋とか居酒屋とかいかがわしいところとか。「蒸しタオル」が不足するほど楽しい日常であってほしい、かな。(月波与生)

誰が何を言うても自分迷うなよ crazy lover
 ~だよな。でも俺カーナビで迷う(じんく)

半年に一回会って世話話しながら食べるラブホテル飯 ハッカ飴 
 ~「ラブホテル飯」のパンチ力がいい。簡素なものしかないと思っていたが最近は違うのだろうか。(月波与生)

エコバッグに入るだけ海を持ち帰る ぬくみず
 ~さて何を詰めたら「海」になるかを考える。小→大の描写は短詩を書くときの定石のひとつではあるがうまく決まれば気持ちいい。(月波与生)

全盛期なんてなかったまま五十路 宮坂変哲
 ~そうですね(泣) (あおいひなた)

スポンサーリンク

◆ 第192回句会報ダウンロードはこちらから

第192回句会報(PDF)

タイトルとURLをコピーしました