さみしい夜の句会報 第189号を発行しました

さみしい夜の句会
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                        UnsplashColton Sturgeonが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第189号(2024.9.29-2024.10.6)

第189号の参加者は49名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

6日、第42回東北川柳連盟盛岡大会参加のため盛岡市へ行きました。席題の選者を仰せつかり久し振りに披講時の緊張感を味わいました。翌日は北上市にある詩歌文学館まで足を伸ばし「インテリアと詩歌」の展示などを観て来ました。

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◆ 参加者(49名)

しまねこくん、もん、星野響、汐田大輝、ハッカ飴、石川聡、西脇祥貴、小沢史、平松泥沸、クイスケ、しんいち、西沢葉火、牛田悠貴、吾意羅、上崎、花野玖、古城エッ、宮坂変哲、しろとも、池田 突波、折戸みおこ、松柏木、奥 かすみ、水の眠り、MIYA、千春、蔭一郎、雷(らい)、石原とつき、菊池洋勝、ユミヨシ、まつりぺきん、いずみ、鯖虎、何となく短歌、おかもとかも、城水めぐみ、みやこまなつ、みや、靈夢、山野たみ、うつわ、リンネリンク、片羽 雲雀、塩の司厨長、高岡ちゃる、流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬、繊乃月(せんのつき)、月波与生

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◆ 川柳・俳句

400字詰めでぴったりの夜長 蔭一郎

おりあいを柘榴のつぶつぶでつける 蔭一郎

遠目には蝿近目には秋の蝿 しまねこくん

十月を過ぎても蝿に逃げられる しまねこくん

女湯と同じ案山子を男湯に しまねこくん

読む人の無きメール来て九月尽 花野玖

朦朧を見ていたい中島みゆき 西脇祥貴

秋が来て猫もパスタも長い夜 しろとも

車中泊民宿寄りのむしさされ 水の眠り

十月の祖父は時計の中にいる 汐田大輝

湖のそこはかとなく住む白虎 千春

みずいろの付箋を使いきり、橋へ 上崎

うめぼしにすきな指紋といわれたの 小沢史

にゅっぷりと毒親の茎まんじゅしゃげ 石川聡

りんどうと韻を踏めたら高踏派 星野響

あたまいっかい狂わせてから出社 しんいち 

音感を四分の一切り落とす 牛田悠貴

逢えたのはキャラメル日和だったから MIYA

なんか冷めてしまった夢が夢になる 平松泥沸

   *

二の腕を頼みの綱とする雄牛 もん

サロメだけ欲しい王子の褪せた馬 クイスケ

リリー丸善ドイツ店 西沢葉火

四千の瞳の先を秋の虹 花野玖

正論は高確率でつまらない 宮坂変哲

結末は肩甲骨が知っている しろとも

バーボンと星に流されてゐるゐる 池田 突波

怖くないクリーム色の彼岸花 松柏木

実家の墓に入らない梔子の花 菊池洋勝

台所(右図)の角で泣きました まつりぺきん

粘っこい五郎の頬にレモンをぎゅ いずみ

ふたつめの茶碗を取ってすぐ戻し 鯖虎

天晴れな不安が仕込まれてる鏡 おかもとかも

知られてはいけない線のある裸体 城水めぐみ

ネッ友の 十六歳の 少年と 結ばれし 靈夢

後悔をこう書いてみた大航海 うつわ

秋浴衣しまい損ねて芙蓉闇 片羽雲雀

その歌声を焚火のように聴く 雷

穭田が一匹穭田が二匹 塩の司厨長

   *

イヌの性器もヒトの性器もオヤシラズ 月波与生

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◆ 短歌

薄闇に「ぽつん」「ぽつん」と雨が鳴る 伸ばした手のひらにも「ぽつん」 ユミヨシ

   *

底の方から湧き上がる痛さほら驚くほどに満ち欠け通り ハッカ飴

凡人が並びに立てぬ地平行く魂の色果つる時まで 吾意羅

白線を踏まないように俯いて肺腑をしぼり生きていこうか 古城エッ

雨雲の隙間から光が差してこの地獄にも意味はあるから 折戸みおこ

とらないといけない電話だとしてもその傲慢な音が嫌いだ奥 かすみ

「理由は言えないの」ノコギリエイは味方なジャポニカ 石原とつき

曇りなき瞳覗けば一刹那きみの心の波形の揺らぎ 何となく短歌

今日詠んだ川柳、俳句です。秋とハロウィンと寄りそい愛。 みやこまなつ

夜に見る夢はしとしと雨がふる一生動けないよと笑う みや

毒入りの噂話に気をつけろ感染力が半端ないから 山野たみ

寂しさが 二倍増しです秋の夜 美味しいもので気を紛らわす リンネリンク

折り紙に誤字の混ざった一茶の句すっと差し出す指の長さよ片羽雲雀

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◆詩・短文

作品はありません。

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◆ 作品評から

とらないといけない電話だとしてもその傲慢な音が嫌いだ奥 かすみ
 ~はじめまして。すごく分かります。電話って凶暴ですよね。私も呼び出し音が嫌いになってしまいます。私だけじゃないって少し嬉しくなりました。(山野たみ)

なんか冷めてしまった夢が夢になる 平松泥沸
 ~眠って見る夢は覚めて夢になり、覚めて見る夢は冷めて夢になる。覚めて夢になる夢と、冷めて夢になる夢は同じようなものなのだろうか、、、余韻の長く残る一句でした。(雷)

あいまいなおもいでならばうつくしい たぶんおそらくきっとめいびー mine 
 ~「たぶんおそらくきっとめいびー」の面白さが作品を支えてるが聞いたこともあるようなフレーズで。諸刃の剣だよなあこれ。(月波与生)

スイスでは鳩をホルンにする季節 汐田大輝
 ~そんなことはないと思ってもスイスのことを何も知らないし季節によってはそうなのかも知れない。「ホルン」が世間のぼんやりとしたスイス感を表している(月波与生)

後悔をこう書いてみた大航海 うつわ
 ~後悔が大航海となるところに、流れであったり、広がりを感じました。 音としての“こうかい”が三度あると後で気付きましたが、不思議な説得力の一因になっている気がします。(月波与生)

ジミヘンに似ている人の語る夢 雷
 ~「ジミヘンに似ている人」が割と近くにいそうで面白い。中崎タツヤの「じみへん」のエピソードのようでもあるし。(月波与生)

来年もカブトムシとかセミとかを見殺しにして誕生日は秋 ハッカ飴
 ~先日集まった人全員が9月生まれでびっくりした。がもう二度と揃わないメンツだろう。秋は忘却の季節。(月波与生)

知事室を蝕んでいく手毬唄 汐田大輝
 ~今話題の「知事室」であるがニュース性がなくなっても川柳として立てる普遍性を持っている。(月波与生)

折り紙に誤字の混ざった一茶の句すっと差し出す指の長さよ 片羽雲雀
 ~折り紙、誤字、一茶、で子どもを詠んだ句と分かろうものを、なぜか艶っぽい句と誤読させられるのも、ある意味一茶の力かもしれません。(花野玖)
 ~一茶の句? どんな句か想像して沼に溺れる(繊乃月(せんのつき))

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◆ 第189回句会報ダウンロードはこちらから

第189回句会報(PDF)

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