さみしい夜の句会報 第186号を発行しました

さみしい夜の句会
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                  UnsplashLuca Zanonが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第186号(2024.9.8-2024.9.15)

第186号の参加者は50名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

今夜(9月17日)は15夜です。みなさんのところからは月が見えていますか?あいにくこちら(青森県)は曇り空で見えたり隠れたりです。川柳初心者の頃、とある川柳社の句会へ参加したとき〈名月を取ってくれろと泣く子かな〉が堂々と披講されていたことを思い出しました。選者を試したのでしょうが投句する人の意地の悪さに呆れたものです。あれから十年余、今の川柳句会は変わったでしょうか、相変わらずでしょうか。

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◆ 参加者(50名)

蔭一郎、しまねこくん、涼閑、東こころ、M*A*S*H、片羽 雲雀、吾意羅、西脇祥貴、ユミヨシ、おかもとかも、水の眠り、石原とつき、しろとも、クイスケ、西沢葉火、花野玖、牛田悠貴、何となく短歌、胡椒 黒、松柏木、汐田大輝、リンネリンク、しろとも、江口ちかる。、宮坂変哲、川柳アンジェリカ、やは、しんいち、ハッカ飴、きらめ紀、みや、くりかなこ、平松泥沸、岡村知昭、松菊梅、まつりぺきん、多生、石川聡、靈夢、帰ってきた笛地静恵、souko、あいしんぐはっぴー、古城エッ、奥 かすみ、雷(らい)、菊池洋勝、うつわ、longroof、名犬 ぽち、月波与生

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◆ 川柳・俳句

うるわしい首にまとわりつくラスト クイスケ

大声で蕎麦を注文する魔法 平松泥沸

地上絵をたくさん描いて眠ります 汐田大輝

究極の卵を食べてよじれたい 汐田大輝

秋なのにみんな身内で寝苦しい しんいち

ちゃんとした紙ストローでいなさいね しんいち

きらきらの子宮で産んだおともだち やは

切妻屋根にはパブーシュカをかけなさい 江口ちかる

まず少年自体の念じたい部分 牛田悠貴

遠吠えの犬の口から彼岸花 しまねこくん

落鮎を放つた風呂が生臭い しまねこくん

一日で箱から象がいなくなる きらめ紀

相撲取りの裸でテレビを見比べる 雷

   *

小鳥きて十二星座を差し替える 蔭一郎

気がつけば鏡に映らないわたし 涼閑

繋がった夜の秘密が割れている 東こころ

新蕎麦の粉の末端価格すげぇ M*A*S*H

クロッチが血で染まらない竜田姫 片羽雲雀

売買が無機にした中島みゆき 西脇祥貴、

どうぞ手狭なガンダムですが おかもとかも

アメリカシロヒトリひとり弾き語り しろとも

メーカー希望かかくけこ 西沢葉火

しんがりも列を乱さぬ渡り鳥 花野玖

チラシの裏の日の目をみない書き散らし 松柏木

帰らないと言ってるうちは大丈夫 宮坂変哲

落し文どうか絶滅しないでね まつりぺきん

顔の段々に下校途中の子供 多生

とどのつまりが永遠に鳴る 石川聡

冷房を 今日は1日 使わない 靈夢

告白の雨のよどみへシャルドネを 帰ってきた笛地静恵

カナリアを待ちきれなくて鈴を呑む 岡村知昭

踊り場に集ふ喇叭や百合の花 菊池洋勝

鈴虫が夢の汀で鳴いている うつわ

ヤクルト1000を飲んでから見た悪夢の質の高さよ longroof

   *

被害者の会より届く暑中見舞 月波与生

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◆ 短歌

もし仮に五億あったら疲れないからだがほしい 一部ロボでも 水の眠り

ベッドにて裸眼で過ごす一日は低解像度で減光してゆく ユミヨシ

また今度あなたに会うならその時は見えない貞操帯をしていく ハッカ飴

   *

待ち合わせしたかの様に近づきぬ 三毛の体の細さいたわし 吾意羅

プリズムは凝固なお花畑を解剖学は(ほんのちょっと) 石原とつき

ゆっくりと浮上していく炭酸で飲みこむ薬は効き目が早い 何となく短歌

サラ・ヴォーンになろう風もご機嫌もちょうど素晴らしい週末だから 胡椒黒

孤独を噛み締め続けたからもう味がしないそろそろ吐き捨てたい リンネリンク

夜のした駆け抜けていく毎日朝がこないこと願い続ける みや

コーヒーを私の前に置いてった 自分のこともあいつも知らない 松菊梅

こう言えば良かったのだと今になり気がつけばまた鏡が笑う souko

あ、眩しい もしかしてこれ走馬灯?くるくる回るメリーゴーランド あいしんぐはっぴー

お子さんと言われるたびに晴れ晴れと満喫をするひとりの時間 古城エッ

ドーナッツみたいだねってほほえんで無邪気に風がこころを抜ける 奥 かすみ 

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◆詩・短文

結露は涙。寂しい夜、悲しい夜、眠れない夜、加湿器が夜通し慰めてくれる季節が近づいてきたね。(くりかなこ)

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◆ 作品評から

落鮎を放つた風呂が生臭い しまねこくん
 ~それはね。しゃあない。(名犬 ぽち)

もうきっと返ってこないビニールの傘を渡したあの日の君も ユミヨシ
 ~貸した人と疎遠になり貸したものまで返ってこないということはわりとある話。また買って忘れてしまおう。(月波与生)

まだ蝉の鳴く信号機の音 雷
 ~こういう風景を切り取れるのが素敵だ。「通りゃんせ」や「故郷の空」を歌うメロディ信号は絶滅しそうで音を切っているところもある。そんな信号機にしがみ付いて鳴く蝉もまた命は短い。(月波与生)

逃げちゃえば卵パックなんだから しんいち
 ~「逃げる」がようやく正当な手段として認識されてきて何をやっても中途半端なヤツだった自分は嬉しい。「卵パック」だしガマンしちゃ割れちゃうよ。(月波与生)

僧侶らの心の中で飼うウナギ 汐田大輝
 ~牛や豚ではなく「ウナギ」であるところに僧侶が感じられます。「心の中」も効いてます。(月波与生)

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◆ 第186回句会報ダウンロードはこちらから

第186回句会報(PDF)

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