さみしい夜の句会報 第180号を発行しました

さみしい夜の句会
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               UnsplashSebastian Cyrmanが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第180号(2024.7.28-2024.8.4)

第180号の参加者は46名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

選者を仰せつかった「おりひめ☆ひこぼし」川柳誌上大会が先日締切まして500人(1000句!)を超える句箋が送られて来ました。粗選、本選、見直し、句評作成、3~4日かけて行い、早い人は1日で終わるでしょうが自分は見落としを極力減らしたいので日を開けるようにしています。発表は9月、他の方がどんな選をしたのか楽しみです。

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◆ 参加者(46名)

古城エッ、ユミヨシ、西沢葉火。しろとも、東こころ、しまねこくん、胡椒 黒、帰ってきた笛地静恵、しみず わかな、隆邦、宮坂変哲、西脇祥貴、クイスケ、しんいち、星野響、朝森タケ、水の眠り、花野玖、蔭一郎、何となく短歌、リンネリンク、ハッカ飴、石畑由紀子、涼、メタル麺、桑原雑、汐田大輝、おかもとかも、尼寺透、もん、片羽 雲雀、もりや、涼閑、石川聡、souko守宮、まつりぺきん、石原とつき、雷(らい)、ダリア220、平松泥沸、カゲキ・ちゃけぞう、多生、かれん、名犬 ぽち、やぶ、月波与生

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◆ 川柳・俳句

ポスト鳥類がスリランカの空を 汐田大輝

氷室から出せなくなつたお父さん しまねこくん

誠意とは仰向けに死ぬ蝉のこと しまねこくん

年毎にフォントが変わる蝉時雨 しまねこくん

ローラーで腰を伸ばして三尺寝 しまねこくん

夕立がやむまで椅子になりますよ しまねこくん 

戦場。雲を担ぐ中島みゆき 西脇祥貴

小数点以下二十位で飛ぶ勇気 帰ってきた笛地静恵

好きなコの部屋ではガジュマルは正座 蔭一郎

眼鏡あげあの蛾の顔はおぼえてる 蔭一郎

転校の日のデセールは蟻まみれ 蔭一郎

詩ではない詩ではない詩を油蟬 尼寺透

こいびとのサインを爪に宿す夜 東こころ

朝採れの怨念入れるラタンかご 石畑由紀子

風船はしゃいだままにパンタレイ 星野響

月曜の樹海で小さな蝶を売る しんいち

黒猫が捨てた迷いの方に行く 雷

   *

マルコに誤字のキーボーロ 西沢葉火

ハチガツと歯応えよく散ってく花火 しろとも

残り香の青き指先草むしり しみずわかな

時計草Vの字で寝る武井壮 宮本隆邦

夏休みアジトに入る合言葉 宮坂変哲

生乾きのパンツ被り眠る猫 クイスケ

雨垂れのやうな旋律土用あい 花野玖

魔が刻の鬼に呼ばれて鬼になる 桑原雑

駆け引きよカンパリソーダ流し込め もん

月無夜さよならまたねLUST FOR LIFE 片羽雲雀 

ダレと比較しなくてもレモン色の君がまた微笑んだ もりや

背中にも目のある人がいて怖い 涼閑

ガジュマルは妄想を根に貯めている 石川聡

フランダースのネロは林檎を素手で割る souko守宮

米飯の見える岬で待ち合わせ まつりぺきん

残り物 ラップで知った気になって おかもとかも

ゼラチンは伽藍洞はそもそもブリキは花盛り 石原とつき

炎天の笑顔夜の仕置きどちらも好き ダリア220

君がまだ消せない海のシュモクザメ 平松泥沸

熱帯夜 モーター音の 唸る常世 カゲキ・ちゃけぞう

左目で見たライバルの討ち方を 多生

喉仏かさり笹竹つんと天を指す かれん

   *

心臓を洗う盥に月を入れ 月波与生

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◆ 短歌

いちばんの性感帯は背中です自慰では触れ得ぬさみしい背中 ハッカ飴

「大人とは」わからぬままで生きてきて手書きの文字は学生のまま ユミヨシ

なくさずに大事にしてた鍵なのに鍵穴の場所を忘れてしまった ユミヨシ

クシュクシュをへそ上パンツに変えてから生きる覚悟がととのいました 水の眠り

本家とか分家だとかは知らぬけどいずれ滅びる我が名の家系 朝森タケ

スカートが短いことを喜んだあなたをちょっと嫌いになりそう 胡椒 黒

   *

踏み込むと傷が付くから引き気味でゴメンネなんかこんな私で 古城エッ

宵の刻 線香 提灯 「転んだら片袖裂いて置いていくのよ」 何となく短歌

打ち上がる花火の眩い光に照らされて 笑顔の君と 影になる僕 リンネリンク

働いて半年過ぎて気がつけば不眠と歯痛疲労でダウン 涼

ワウペダル似合わないって思ってたあの子を見かけたパネル写真で メタル麺

蛇守る神社へ入りぬあやまちてここは来てはいけないところ 帰ってきた笛地静恵

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◆詩・短文

※ 掲載作品はありません。

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◆ 作品評から

帰省ほどよく散らかつた広い居間 高田月光
 ~「ほどよく」がいい。本当は派手に散らかっていても逆に気を使って全然散らかってなくても「ほどよく散らかつた」帰省が心地よい。(月波与生)

この夏も普通のフリをしています ミッキーよりも厚い着ぐるみ ユミヨシ
 ~暑い。エアコンがないと死者がでる国はもう人間が住めないのではないか。そんな国で着ぐるみを着て普通のフリをしているぼくら。(月波与生)

垂線を引けば気球でいる家族 かれん
 ~「気球でいる家族」が「垂線」と何となく繋がっててその微妙さが成功してる。書いてみるとこの微妙さが難しいのだけど。(月波与生)

転校の日のデセールは蟻まみれ 蔭一郎
 ~小池正博さんの現代川柳句集『転校生は蟻まみれ』へのオマージュですね。収録の句は「都合よく転校生は蟻まみれ」おいらもいつからは、自分だけの「ワールド」を体現する一句を詠めたらなぁとおもいますです。(石川聡)

ローラーで腰を伸ばして三尺寝 しまねこくん
 ~アンタ!あとちょっとで五尺寝できそうや。(名犬 ぽち)

片耳のイヤホンたちへ ごめんなさい別れさせ屋はこのあたしです 胡椒 黒
 ~「別れさせ屋」だったと告白してるから別れた後か。「片耳のイヤホン」も小道具としては全世代わかりやすくていい。(月波与生)

太平洋ベルトを点々する俺ら 港のキリンの美しいこと 水の眠り
 ~「港のキリン」で情景があざやかに広がる。対比される俺らの生活風景もわかるように書かれていて素晴らしい。(月波与生)

欠伸ください集めているの 石畑由紀子
 ~毎日暑い日が続きます。寝苦しい夜、浅い眠りになりがちですね。心地よい欠伸を待っています。(月波与生)

蛇守る神社へ入りぬあやまちてここは来てはいけないところ 帰ってきた笛地静恵
 ~白蛇の夢とか、前に師匠に、人に話すと運が逃げるとか(やぶ)

ねじれた針の上で踊ってた 折れる 片羽雲雀 
 ~きつい恋。アナログの時計の針二本。捩じれている。しかし、互いに気付かない。踊る。楽しくもある。だが、事あるごとにぶつかる。ともに傷つく。無理をしすぎた。ついに、折れた。空白に無念が。「たおれる」まで。生きたのだ。(帰ってきた笛地静恵)

月無夜さよならまたねLUST FOR LIFE 片羽雲雀 
 ~イギーポップのそれは、もう青春すぎて…!(白石ポピー)

夕立がやむまで椅子になりますよ しまねこくん 
 ~彼女が、雷をこわがっている。しがみついてくる。少しでも、忘れさせてやりたい。がんばる。対面座位だろうか。男の自由がきく。長時間もつ。動かし続ける。男のやさしさ。(帰ってきた笛地静恵)
 ~はああぁ?だからなに!(名犬 ぽち)

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◆ 第180回句会報ダウンロードはこちらから

第180回句会報(PDF)

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